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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.94 2008年秋のショービズコラム
黒人初の大統領が誕生し、音楽界のカリスマ小室哲哉が逮捕された11月の第一週目、私にとってはもうひとつサプライズがありました。情報誌「ぴあ」が週刊から隔週刊になってしまったのです(実際は戻ったという方が正しいが)。11月6日発売の新号は、前週までの240ページから112ページへと薄くなり、しかもそれまで私が「ぴあ」でしか得られなかった「小さいけれど大切な情報」を全てオミットしてしまいました。映画なら何とかホールでの自主上映とか、舞台なら何とかスタジオの発表会情報。大手企業のエンタメ情報だけを「ぴあ」側が選んで掲載するスタイルになった様です。お芝居での演出や振付、キャスト名もきれいに消えてしまいました。山の様な情報量が魅力で35年間読みつづけた(実に1273冊)私もこれには納得できず買うのをやめました。
逆にスタイルを変えずに頑張ってきた映画雑誌「ロードショー」「月刊プレイボーイ」が11月発売号で廃刊になってしまいました。新宿コマ劇場、シアターアプルに続き、多くの稽古場を併設した森下ベニサンピット、新宿シアター・トップスも老朽化のため閉鎖だそうです。近年、洋書店イエナ、中古レコードのハンター、サントラCDのすみや渋谷店、有楽町にあった宝塚ショップなど、良く足を運んでいた店も閉店してしまいました。そんな話題を良く持ち出す私ですが、クローズするにはそれなりの理由があるのだから、「残念」とか「さみしい」と考えることは不思議とありません。ショービズの世界では、生き残ろうとする努力をしなければ人は離れていくものですから。

さて、日本で最大手のミュージカル劇団も生き残りをかけ、大いに苦労しているようです。東京ではチケットが入手困難なのに、本拠地では空席の目立つ宝塚歌劇団。95周年を迎える来年からは、上演日数を45日から30日に短くし、上演作品を増やし、一部入場料を値上げするそうです。これらのプランが大阪の観客増員となるのか大いに疑問です。私が一番気にしているのが、作品が増えることで一作品にかける予算が減ることです。装置や衣裳の質がまたまた落ちるのでは。それらをフォローする為に、以前「ノバ・ボサ・ノバ」や「ザ・レヴュー」で行なった続演が増える様な気がします。良い作品ならまだしも出来の悪い作品の場合、いくら東京でもリピーターが離れていくのではないでしょうか。
そのリピーター離れが原因で苦戦しているのが劇団四季。幹部劇団員という待遇だった保坂千寿さん、石丸幹二さんら人気スターの独立で、ファンも一緒に離れてしまい、こちらは一部入場料を値下げするそうです。あくまでも「四季」を売りものにしている為、当日劇場に行くまで誰が演じるかわからないシステムが今でも続いています。「クレージー・フォー・ユー」が上演された時は、タップ教室の多くの生徒が観に行っていた様ですが、その時も「今日のボビーは加藤敬二さんかしら?」という声を耳にする事がすごく多かった事を思い出します。作品よりも、タップよりも、人なのだなと強く感じました。劇団が演目の前にスターの名前を載せるとか、スター達を大切にしていかなければ、チケットが安くなっても何も改善されないと思います。皆さんはどう思われますか?

天野 俊哉





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