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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.916 「TOP HAT」と「トップ・ハット」
 イギリスからの来日タップダンス・ミュージカル「TOP HAT」が大人気で、ご覧になった方々の「素晴らしかった!」「楽しかった!」という声が沢山聞けて嬉しかったデス。残念ながら自分は拝見できませんでしたが、日本のフレッド・アステアこと白川希君から、DEEPな観劇の感想をたっぷりと聞かせてもらいました。白川君は、多分誰も気付かないであろう、アステア・ファン向けの演出のアイデアやこだわりをしっかり見抜いていました。
 わたしの回りのタップの先生達や、若いダンサー達そして生徒達の多くが来日ミュージカルに駆けつけるなんて素敵ですね。
 皆さんの幸せそうな顔を見ていると、自分が初めてフレッド・アステアの映画「トップ・ハット」を観た日の事を思い出します。
 私が映画ファンになり、ミュージカル映画に夢中だった1970年代半ば、この「トップ・ハット」は伝説でした。
 物凄く観たかった私が映画会社に電話してたずねると「映画館でリバイバル上映するには古すぎるんですよ」。テレビ局の映画担当者の方に電話してたずねると「テレビで放映するには吹替え用のサウンドトラックが無いんですよ」。
 当時、外国映画を唯一字幕放映していたNHKの方は「日本の映画ファンはアメリカよりヨーロッパの名画を観たいようです」と教えてくれました。
 「カサブランカ」を輸入して上映していたIPという映画会社だけは「アステアのシリーズ上映を考えています」と答えてくれました。
 ところが世の中には凄い人がいて、当時40万円もした16oフィルムを個人で輸入して場所を借りて上映会を開いたのです。
 情報雑誌ぴあの自主上映コーナーでこの「トップ・ハット」上映会を見つけました。
 場所は千駄ヶ谷区民会館
 今もあるのかな?
 もちろん字幕なしで筋書きの書いたコピーを当日配布されました。
 入場料は¥500でした。
 沢山の方が集まりました。
 お話がわかりずらかったけど初めて観る若き日のアステアのタップ・ダンスに釘付けでした。あの頃は映画のアステアのタップ・ダンスに皆さん拍手をしてましたね。
 帰りに主催者が発行したミュージカル映画の同人誌を購入しました。今でも大切にとってあります。
 私には懐かしい出来事です。
 アステアの「トップ・ハット」は、日本では私が自主上映で出会った5年後にビデオが発売、10年後には先の映画会社IPが劇場でリバイバル上映、そして15年後にはテレビ放映されました。業界の方々は私の希望を少しずつ叶えてくれた様です。
 来日ミュージカルの「TOP HAT」をご覧になった皆様にとって一生の素敵な思い出となります様に。

天野 俊哉




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