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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.915 往年のハリウッド女優モーリン・オハラの歌うCD
 1920年に生まれ、1940年代から50年代に大活躍したハリウッドの映画女優モーリン・オハラ。私は12歳の時にジョン・ウエインと主演したジョン・フォード監督作品「静かなる男」で初めてモーリン・オハラを観て彼女の名前を覚えました。続いて「剣豪ダルタニアン」「すべての旗に背いて」「荒鷲の翼」等のアクション映画から名作「わが谷は緑なりき」まで、毎月のように彼女の映画がテレビ放映されたので、必ずチャンネルを合わせたものです。
 モーリン・オハラは、ドーンと独りで主役をやるタイプではなくジョン・ウエインやタイロン・パワー、ヘンリー・フォンダらしっかりとした男優に寄り添った時にメチャクチャ実力を発揮するタイプだと思います。確かアカデミー賞は受賞していないはずです。残念な話ですが、そんな位置づけでも永く記憶に残る素晴らしい方なのですね。
 さて、28度もある暑い秋の日の午後、久々にCDショップに寄りジャズ・ヴォーカル・コーナーをチェック。年々品薄を感じながら眺めているとまさかの
 〈モーリン・オハラ〉
 えっ?同姓同名か?
 手に取るとジャケットの美女は私が知るあのモーリン・オハラです。
 帯には「ジョン・フォード監督がライナーノートを書いている」とあるし、間違いなくモーリン・オハラみたい。ハリウッド女優の宿命で彼女もルシル・ボールと「恋に踊る」、ディック・ヘイムズと「Do You Love Me」等のミュージカル映画に主演しましたが、不思議と歌ったり踊ったりはしていなかったので、歌えないのかなあ〜と思ってました。
 歌のセレクションはスタンダードな曲が12曲、特に彼女の出演作とは関連したものではありません。
 さっそく購入しました。
 録音されたのが1959年、先の「荒鷲の翼」の頃ですから女優としてターニングポイントになった当りです。
 日本では1985年にレコード発売されたそうな?このCDはさらにその10年後とか。
 まず、肝心なジョン・フォード監督のコメントは訳されておらず、ジャケットの裏に原文のまま掲載。小さな小さなCDに小さな文字で書いてあるので、全く読めない。虫眼鏡が必要です。
 そして歌ですが、凄く上手いです。声もきれいで。
 ただ残念なのは、これはジャズ・ヴォーカルではありませんね。教会とかで聴いているような美しい歌なのです。ジャケットの悩ましい写真を見て買う(ジャケ買いする)と、かなり後悔する代物です。日本で書かれたライナーノートには、ジャズとして演奏しているサイドメンの誰それがどうとか?書いてありますが、それら全てが吹き飛んでしまう位インパクトが強いのですねモーリン・オハラの歌が!
 このCDは女優シリーズの様で他にも往年のハリウッド女優がズラリ。
 皆さんジャケットが素敵すぎです。

天野 俊哉




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