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Vol.914 生誕100年記念リー・ワイリー〜ジャズはこんな風に歌うのよ
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女性ジャズ歌手のリー・ワイリーは、このコラムを書いている100年前の10月9日に生まれました。
リー・ワイリーは同時代に活躍したビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、ミルドレッド・ベイリーと比べると少しスケールが小さいかも知れません。日本における女性ジャズ歌手としての知名度も低いかも。
ジャズの世界にはルイ・アームストロングを中心としたニューオリンズ・ジャズとは別にシカゴ・ジャズがあります。その名の通りシカゴ出身のジャズメンであるエディ・コンドン、マグジー・スパニア、ピー・ウィー・ラッセルらで演奏されたジャズです。
エディ・コンドンはギタリストとしては三流なのに、スタープレイヤーを簡単に揃えてしまう実力あるプロモーターとして有名でした。
1940年代にニューヨークのタウンホールから毎週ラジオ放送されていたコンドンのコンサートには、当時アメリカで大スターだったジーン・クルーパ、トミー・ドーシー、ベニー・グッドマン、ウディ・ハーマンらバンマス達がたった二〜三曲を演奏する為に自分の仕事を抜け出して来るほど、コンドンに忠誠を誓っていました。
さて、我らがリー・ワイリーはそんなエディ・コンドン組の専属歌手みたいな活動をしていました。
私が最初に聴いた彼女のレコードは、エディ・コンドンのライブでの歌を集めたものでした。とてもハスキーで、写真を見るまで黒人女性かと思ってしまうほどの素晴らしいフィーリングでした。若いのに若さを感じさせず、マイクの前にやって来て吸いかけのタバコを消しながら「ジャズはねぇ、こんな風に歌うのよ♪」って感じでけだるく歌い出す。多少音程が狂っても気にせず、自由気ままに歌う。 リー・ワイリーとはまさしくそんなジャズ歌手でした。
後年「マンハッタンの夜」という有名なアルバムを出し大ヒットさせました。ロジャース&ハートの“Manhattan”をムードたっぷりに歌っていますが、バックに流れるストリングスの音色が邪魔に感じてしまいます。多分そんなゴージャス感はリー・ワイリーの歌には必要ないのだな?と私は初めて聴いた時も、そして今でもそう思っています。
白人であり、結婚相手にも恵まれたという事を本で読みましたので、生活の心配をせずに気楽に歌える人生だったのかも知れませんね。
興味のある方はYouTube等でリー・ワイリー(Lee Wiley)を聴いてみてくださいね。
天野 俊哉
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