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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.91 オススメDVD「巴里のアメリカ人 スペシャル・エディション」
ビデオ時代から今日のDVDまで、パッケージのデザインが何度も変わって発売され、\500DVDまで加わって、もうどれを買えばよいのかわからないのが、ミュージカルの名作「巴里のアメリカ人」(以下「巴里」)です。
11月5日、最終盤とも言うべき特典映像&音声が満載の2枚組がワーナー・ホーム・ビデオより\3,990で発売されました。このコラムを読んでいる多くの方が「巴里はもう何度も観たよ」と思われるでしょうが、この特別盤の楽しみ方をお教えしたいと思います。

その1
「巴里」の最大の魅力は、ジーン・ケリーによって踊られる楽しいタップ・シーンです。ジョージ&アイラ・ガーシュインの名曲にのせて軽やかに踊るその心地よいタップの音。DISCTの本篇をチャプターでセレクションしてみましょう。
<チャプター8>
パリの子供たちに英語を教えながら、シングル・タイム・ステップ、シムシャム、チャールストン、マーチ、エアープレーンなどのステップを踏んでみせる“I Got Rhythm”
<チャプター14>
信じられないくらい狭い屋根裏部屋でピアノと掛け合いでダイナミックに踊る“TraLaLa”
<チャプター22>
パリの街角で、フランス人歌手の口笛に合わせて恋のよろこびを表現した“S'Wonderful”
<チャプター26>
4人のアメリカ人とジーンが、ジョージ・M・コーハンのエキセントリックなスタイルで踊る“An American in Paris”のタップ。

今となっては、セリフ〜歌〜踊りという当然の流れなのに、ジーンがタップを踏み出す時のこちらのワクワク感って何なのでしょうか?この、いわゆる“What a Wonderful Feeling”という感じを味わえるのは、今では私の知る限り、松本晋一さんの演出(ハンドクラップ公演、東京リズム劇場、東京リズムボーイズデラックスなど)だけかも知れません。

その2
DISCTの本篇を音声解説で観てください。ジーンの3度目の奥さんパトリシア・ワード・ケリーは、ジーンの自伝執筆を手伝っただけあって何でも知っていて、彼女をはじめ当時のスタッフ・キャストの裏話が面白いです。時間の無い方は、DISCUの「メイキング」だけでも良いかも知れません。

その3
DISCUの「未公開シーン・未公開曲集」をとりあえずチェックしてみましょう。ジョルジュ・ゲタリーの歌のシーンは、表情が硬いので歌がやたら長く感じます。なぜ使用されなかったのかが実に良くわかります。正直、早く歌い終わってほしいと思いました。ゲタリーのソロは、ショーアップされたフォーリー・ベルジュールのシーン以外はほとんどカットされてしまいました。

その4
DISCUの「ジーン・ケリー・ダンサーの肖像」でジーンのキャリアを知ることができます。ジーンがアマチュア時代に踊っていた映像や、1940年ブロードウエイのバリモア劇場で隠し撮りされた「Pal Joey」のカラー映像などが珍しくて貴重です。
今まで何度も観てきたジーンのダンス・シーンも、最初の奥さんだったベッツィ・ブレアや娘さん、監督仲間スタンリー・ドーネン、そして多くのパートナーたちによって語られる結構シビアなエピソードが加わると、より楽しめます。ジーン自身もスクリーンの笑顔と違って実際は厳しい人だったようですが、インタビューに応える人々も素敵な笑顔で語る内容は、プライベートでの離婚問題とか四角関係みたいな話がポンポン飛び出していました。ショッキングな内容でも、ベッツィ・ブレアの表情を見ていると妙にアットホームな雰囲気にひたれます。作り物っぽさの無い、とても良くできたドキュメンタリーです。

さあ、今年のクリスマスは「巴里のアメリカ人 スペシャル・エディション」で決まりですね。

天野 俊哉





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