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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.90 タップのはなし
今回は、まじめにタップのステップを取り上げましょう。
Waltz Clog(Waltz Time Step)と言えば3拍子の世界のキングですが、最近このステップを指導する教室も減った様です。
ハリウッドのミュージカル映画では、まるで初心者向けのステップとして存在しています。「グレン・ミラー物語」の名優ジェームス・スチュアートが、タップの女王エレノア・パウエルと共演した「踊るアメリカ艦隊」(1936・MGM)ではWaltz Clogを踏んでいます。フレッド・アステアが「ブルー・スカイ」(1946・パラマウント)で歌手のビング・クロスビーとデュエットした時、ジーン・ケリーが「私を野球につれてって」(1946・MGM)で歌手のフランク・シナトラとデュエットした時、不思議な事ですがまったく同じ振付でこの偉大な2人の歌手がWaltz Clogを踊らされています。シナトラはよほどこのステップが気に入ってしまったとみえて「上流社会」(1956・MGM)では、普通の靴でさりげなく踏んでいます。そうそう「南太平洋」(1958・FOX)では、ミッチー・ゲイナーがまったくの素足で、それも浜辺で楽しそうに踊っていました。
Time Stepは、私達のスクールでもっとも出番の多いステップでミュージカルでもポピュラーです。タップダンサーのルービー・キーラーが「カジノ・ド・巴里」(1935・ワーナー)という古い映画で、このTime Stepを16回踏んでいたのが最長記録だと長い間信じておりましたが、最近1曲すべてTime Stepというナンバーを松本晋一さんに見せてもらいました。第2次大戦中の短篇ミュージカルで、踊るはベティ・ハットンと大勢のコーラス・ガールズ。ステップはひとつですが、フォーメーションに魅力があって、最小の努力で最大の効果を上げているのはお見事。
もし記録に残りそうなTime Stepがありましたら御一報下さい。

写真 :  「私を野球につれてって」のフランク・シナトラ(左)とジーン・ケリー。
 最高の笑顔でWaltz Clogを!!


皆さんは“Choreography”という言葉をご存知ですか?そう「振付」の事ですね。
アグネス・デ・ミルがブロードウェイで「オクラホマ」を作った頃から使われはじめた言葉です。それまでは、振付師を“Dance Director”とか“Dance Number Staged & Directed by 〜”の様なクレジットが多かった様です。
最近、私はこの“Choreography”をとんでもない所で目にしました。それは「燃えよドラゴン」(1973・ワーナー)です。アメリカでは、カンフー映画の武術シーンの演出に“Choreography”を使っているのです。今は亡き偉大なブルース・リーを語る人々の口から“Choreography”が当たり前の様に飛び出し、おどろきながらも、ブルース・リーの流れる様なカンフー・アクションは、フレッド・アステアの踊りの様にスマートであるし、立派な振付だなと納得してしまいました。
ちなみに「カンフーハッスル」(2004)では、“Main Action Choreography”というクレジットになっていました。
とても勉強になりましたね。

天野 俊哉





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