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Vol.886 フレッド・アステア幻のカット・ナンバー映像
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先日、ボーッとYouTubeを見ていたらとんでもないダンス映像を見つけてしまいました。
フレッド・アステアが主演したミュージカル映画「セカンドコーラス」(1940)でカットされたダンス・ナンバー“Me and the Ghost Upstairs”(5:26)がそれです。と言っても2008年にアップされたもので7年も気付かなかったとは情けない。しかもこんなお宝映像なのに再生回数がたったの五千回とは。
もうトホホの世界。
神様みたいな存在のアステア様のカット映像なのだから取り合えず毎日見続けています。
映画が始まって8分あたり、フレッド・アステアの学生バンドのマネージャーに雇われたポーレット・ゴダードが有名クラブに電話を入れます。「ハロウィーンのバンドは決まりましたの?うちにはいいバンドがいますわよ」なる会話があり、そしてダンスナンバーになったようです。
ハロウィーンのカボチャをデコレーションした高級ナイトクラブで自分の学生バンドを率いたアステア。白のタキシードに黒の蝶タイ黒のスラックス姿。つまらない歌を2分間歌います。やがてフロアに下りてタップを踏みますが、画面が暗いのとスラックスが黒いので全く足元が見えません。ここで頭から全身布を被った昔ながらの幽霊が登場します。この幽霊役がアステアの専属の振付師ハーメス・パンです(写真参照)。足には女性用のシューズを履き、動きも女性的でしなやかです。アステアとコミカルなやり取りあり、ジルバありと楽しいですが、時間が長いので飽きてきます。最後にフェードアウトして行く二人の呼吸のあった動きには感心しました。
編集室で映画編集段階では残され、タップの音も観客の拍手の音等の効果音ははいっている。
しかもYouTube映像の始まりのほんの1〜2秒には、その直前のドラマの部分が残されています。つまり、最初に劇場で上映された時にはこの場面はあったのですね。ただ劇場にかかっている早い時期にダンスナンバーがカットされてしまいました。
現存するバージョンはポーレットがその後次々とバンドを売り込んで行く場面につながり、確かに映画のテンポは良くなりましたね。
アステアのパートナーとして画面にでそこなったハーメス・パンですが、アステアとポーレット・ゴダードのデュエット・ナンバーでは学友の役でクラリネットを演奏しています(写真参照)。その後、アステアと離れて20世紀FOX映画の専属振付師兼ダンサーとして契約し、ベティ・グレイブルやリタ・ヘイワースら美人ミュージカル・スターと踊りリベンジを果たしました。
今ではこれらをまとめて観ることが可能ですので、興味のある方はYouTubeを検索してみてくださいね。
天野 俊哉
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