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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.874 日下部美雪さん出演のミュージカル「Nicky ニッキー」
 「東京リズム劇場」でご一緒させていただいた日下部美雪さんが出演されるミュージカル「Nicky ニッキー」を観に、光が丘のIMAホールまで行って参りました。
 劇団ミュージカル座創立20周年記念公演とのこと。
 男と女の体が入れ替わるという題材は、大林宣彦監督の映画「転校生」や、舘ひろしさんのテレビドラマで扱われてきましたが、舞台で、しかもミュージカルとは興味深い事です。公演チラシを手にした時から「これは絶対に観なければ!」と思った舞台です。
 さて、私にとっての主役である日下部美雪さん。「東京リズム劇場」では得意の歌で、カントリー・ミュージックからミュージカル・ソングそしてジャズまで幅広く披露。中でもフランク・シナトラの持ち歌で知られる“The Best Is Yet To Come”が素晴らしかった。
 お芝居でも「タップ名作劇場」でのお話しのお姉さん役から「飛び出せ青春」の先生役まで手堅い演技を見せていました。
 今回のミュージカル座公演は、大人向け子供向けという区別をあまりせず、キャストを混ぜて使いレベルアップに成功させました。
 日下部美雪さんは、初っぱなから黒のダービー帽に変型燕尾服、網タイツにハイヒール姿で8人の女性によるシアタースタイルのダンス。8人の中で唯一ショートヘアが目立つ。彼女の長い手足が生かされた振付でした。
 次にグリーンのワンピースを着て学校の先生役を。スタイルの良さを生かしたデザインでした。子供達を交えた楽しいミュージカルナンバーが展開されました。そして女医さん役では、白衣の下に先程とは違うグリーンのスカートを。白を基調とした病院の場面で、さりげないワンポイントとなっていましたし、ロングのカツラも役作りにプラスに。
 劇中劇では、大人子供を交ぜたダンスシーンが。日下部さんお得意の男装でギャング役。かなりハードな振りが格好良くて大収穫でした。逆に雨乞いのサンバというダンスでは、女性らしい振付と衣裳で土臭さを表現していました。
 歌の場面だけが少なかったけれども、日下部さんの魅力を堪能する事が出来ました。
 本来の主役である10歳の女の子と40歳のおじさんを演じた池田葵さんが、下ネタにも物怖じせずにブッ飛んだ事で場内の観客も呑まれました。ホントに凄い演技を見せていました。
 彼女を中心にプロの舞台俳優である水谷あつしさん、詩乃優花さん、秋山エリサさんらが回りを固めた事で入場料に見あったミュージカルを造り上げました。
 今回のこのスタイルが本来のミュージカル座公演であったのか?
 それとも夏休み特別企画だったのか?
 今後の活動に目を向けなければいけなそうです。
※写真の掲載は承認を頂いています。

天野 俊哉




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