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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.849 《私の昭和》を少しだけ語ります
 Y'sコラムでは「昔何々を見た」とか、「何々が懐かしい」といった文章が多いので、さぞかし天野は昭和みたいな古い時代に愛着を持っているのだろうねと皆様は思ってる事でしょうが、実は私昭和という時代が大嫌いなんです。特に私の場合、トラウマになっている事が多くて。今の快適で清潔な平成の時代が好きで好きでたまりません。
注:これから食事の方や映画「ALWAYS 三丁目の夕日」が大好きな方は読まないで下さいね。

《タバコ》
 若い皆様が驚くのは、どこに行っても喫煙者の方がタバコを吸っていたのですよ。エチケットなんて言葉は無かった?町中、病院、駅、電車の中、バスの中、床屋etc.ホント酷かった!
 これが昭和。
 今は何処も空気がきれいですね。
《飲食店》
 衛生面てどうだったのだろうか?テーブルの上にゴキちゃんが現れる事が多かった!中華料理店で、お店の人に伝えると、不機嫌そうに目の前でバシーン。
 これが昭和。
《賞味期限》
 町のパン屋さんで当時は珍しいフルーツパンを買い、飛んで帰り、家で開けたら、ぷーんと腐ったにおいが!
 「返しておいで」と母。
 返しに行くと「鼻がおかしんじゃないの?」とパン屋のおばさん。
 これが昭和。
 コンビニやスターバックスのパン大好きです。店員さんも礼儀正しくて。
《家》
 天野家はかつて墨田区にありましたが、下町の大空襲で焼かれて葛飾区に移住したそうです。
 私が3歳から13歳まで過ごした家は木造平屋。夏は超暑く、冬は超寒い、生き物(爬虫類含む)は住み放題、風呂なし、水洗で無いトイレ。特に最後のは致命的で、近くの河が水域を超えて民家まで水が流れてくる、するとトイレに水が入ってくるのです。トイレに行くのが怖かった!今でも夢に出てきます。
 これが昭和。
 今はどこに行っても水洗トイレで幸せです。
《銭湯》
 湯船のお湯は少年には熱すぎるのです。そっと水を足すと、うるさい爺さん(もち他人)に怒鳴られる!
 これが昭和。
 身体中に刺青を入れた893さんから「お兄ちゃん(もち私)ちょっと背中流してよ!」と頼まれる。誰が断れますか?
 お背中流しながら「もしこの刺青が落ちたら殺されるんだろうなあ〜」毎回思いました。帰りにお駄賃のジュースは頂きました。
 これも昭和。
 まだまだ戦後20年、戦争で負傷した方々が沢山銭湯に。ご自分では背中を洗えないので「お兄ちゃん(もち私)ちょっと背中流してよ!」と頼まれる。誰が断れますか?
 特に腕のあった部分や弾の当たった傷痕をゴシゴシ洗うよう頼まれるんです。
 私まだ7歳か8歳の時ですからね。「逃げ出したいなあ」って毎回思いました。帰りにお駄賃のジュースは頂きました。
 これが昭和。
 父の背中を必ず流していたせいか上手かったんでしょうね。みなさん笑顔でしたけど。
 今でも旅行で温泉には入りません。
《戦争》
 浅草の大通りには軍歌を流して、カンパをつのる元軍人さんが沢山いました。
 母から聞いた話ですが、幼少の私は「おじさんたちにお金をあげるんだ!」と頑固に言いはり、脚や腕の無い皆さんに全員にカンパして回ったそうです。
 日本の首相が私みたいにリアルな昭和を体験していれば、今回の様な間違った選択はしなかったはずです。
 昭和の過ちが繰り返されませんように!
 そして日本が、世界が、いつまでも平和でありますように。

※ 写真はイメージです。

天野 俊哉




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