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Vol.845 オウディー先生の「タップダンス入門書」を読んで思い出した事
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私がまだ大学生の頃、私の師である佐々木隆子先生は夏になると《隆子と行こうニューヨーク・レッスン・ツアー》をよく企画されていました。ブロードウエイでミュージカルの鑑賞をしたり、ロバート・オウディー先生のタップのレッスンを受けたり、羨ましい限りの企画でした。私の先輩先生方はこの様な素晴らしい経験をされていましたね。
隆子先生から聞いた話ですが、先生の時代は今と違い自分の師匠以外の方から指導を受けることはタブーだったそうです。隆子先生は日本での師は中川三郎先生、ニューヨークではロバート・オウディー先生だけだと言っていました。それでも、DMAからダニー・ダニエルズ先生を紹介されたりすると、こっそりレッスンを受けにいったそうです。というのもオウディー先生はとても焼きもち焼きなので、先生を怒らせたくなかったからだと言っていました。
1990年2月、隆子先生の生前最後のニューヨークレッスンではオウディー先生に加え、ヘンリー・レタン先生にも習いました。
その時に先生が記録したレッスン風景の映像が、今では何故か我が家にあるのですが、少しだけ気になる会話がありました。
オウディー先生は隆子先生に「コーラスライン」からの曲“ONE”の振付をしていたのですが、休憩時間に
「何かミュージカルを観ましたか?」
とオウディー先生。
「はい『ブラック・アンド・ブルー』を観ました!」
と元気よく隆子先生。
「ああいうのが好きなんですか?」
とちょっとおきに召さない雰囲気のオウディー先生。
なるほど!こういう事なのですね。
「ブラック・アンド・ブルー」は当時最も話題のタップダンス・ミュージカルで、ヘンリー・レタン先生が振付を担当していました。隆子先生はグレゴリー・ハインズの大ファンだった事からヘンリー・レタン先生の指導も張り切っていましたね。
残された映像では、オウディー先生もレタン先生もどちらも魅力あるレッスンをされていました。
これはタップ・ダンス戦国時代のエピソードのひとつです。
天野 俊哉
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