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Vol.833 幻のキートン喜劇映画を観ました
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映画が音を持たなかった1920年代のサイレント時代、ハリウッドで世界中でチャールズ・チャップリン、ハロルド・ロイドと並び三大喜劇王と呼ばれていたバスター・キートン。
チャップリンがその生涯に出演した81本の作品やロイドの作品が今日に至るまでキチンと管理されDVD化までされているのに対しキートンは1930年代前半で落ちぶれてしまい、その後、ハリウッドで行き当たりばったりに職を探す生活を送りました。
映画の世界には短編映画という部門があります。もちろん添え物扱いですが、キートンの喜劇映画では実はこの短編映画の方がベストでした。
1910年代から1920年代にかけてのサイレント時代に製作された20本以上の短編映画はいまや伝説です。ただし当時の保守的なハリウッドでは映画のラストに墓石が映るブラックなキートンの作風はあまり歓迎されませんでした。
トーキー時代になり専属だったMGMから解雇されたのが1933年。
すっかり落ちぶれ1930年代なかばに20世紀FOX映画の系列会社エデュケーショナル映画で10数本の短編映画に主演。ただし、ストーリーもつまらないしキートンを活かしたギャグが皆無。全く笑えませんでした。
そして最近、フィルムにもビデオにもならなかった無名のキートン映画1939年から1941年までコロムビア映画で製作された9本の短編映画のDVDBOXを購入しました。
付録としてキートンが実際に使用した台本の復刻本。キートンの孫娘が所有していたものとか。キートンのサインだけでなく、おびただしい数の書き込みがあります。映画作りへの愛情が強く感じられ貴重です。
さて、ここに収められた9作品ですが、先のエデュケーショナル映画の時と違い、ストーリーに振り回されずに自分のやりたいことをやれたようで、ギャグもアクションのレベルが高くて笑えます。まわりの共演者達もキートンと呼吸があったようです。当時45歳のキートンはそれまでの荒れた生活でめっきり老けてしまいましたが、体はよく動いており《キング・オブ・スラップスティック・コメディ》健在をアピール出来たようです。
バスター・キートンの映画を観はじめて42年ですが、まだまだ幻の映画ってあるものですね。
天野 俊哉
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