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Vol.781 渋谷東急プラザ閉館とオチのこと（前）
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3月22日に渋谷駅前の東急プラザが閉館し、49年の歴史に幕を閉じました。私達の東急セミナーBEはすでに自由が丘と二子玉川に移転しており、建物には何の思い入れもありません。ただひとつ、ここでタップの指導をしていた私達の仲間で3年前に亡くなったオチの事は残しておきたいかな？と思いました。
オチ（愛称）は私がアシスタントとして連れて歩いた18名のうちの1人です。
まだ三越文化センターがあった頃にアシスタントとして配属されましたが、公演の稽古で怪我をしてすぐに休止する事に。「まだ友達もいないし、もう来ないかな？」と思っていましたが1年後には復帰しました。
「入院中に隆子先生から頂いたお見舞いの花がとても嬉しかった！」と話していました。
復帰後すぐに先生から「今度は池袋の東武カルチュアセンターで私のアシスタントに」と頼まれましたが、三越での仕事ぶりがいまふたつだった事から、再び自分に付くことには反対しました。ただ先生には先見の明があったのでしょうね。「必ずのびる子だから！」と説得をされました。
復帰後、オチがオチとしての実力を発揮したのは意外にも地方のイベントでした。「あの子には世話になってね！」とか「気遣いが嬉しかった」等先輩達から次々と聞かされ驚きました。
この日を境にスタジオでは、誰からも愛されるオチとして一気に市民権を得ることとなりました。
私のクラスでも、その人当たりの良さが生徒から好まれる様になってきました。
そんな矢先「スタートしたばかりの渋谷の東急セミナーBEが凄い人気なので、入門クラスを増設してぜひオチに担当をさせたい」と先生。
私は当初の意見から一転して「池袋のクラスにもようやく慣れてきたのに！」と不満タラタラでオチを手放す事になりました。
つづく。
天野 俊哉
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