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Vol.779 「TOP HAT」に関するいくつかの事柄その1
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《何事も第一印象で決めるべからず》
私が映画ファンになった10代の頃、フレッド・アステア主演「トップハット」はアステアの最高傑作と言われていました。
アステアとジンジャー・ロジャースが共演したミュージカル映画は全部で10本。
映画館・テレビ・ビデオで観ることが全く出来ない時代に、まさかの「トップハット」が千駄ヶ谷区民ホール(?)で16oフィルムで上映されました。情報誌「ぴあ」の自主上映コーナーで知った沢山のお客さんが集まりました。
残念だったのは日本語字幕が入って無かった事。主催者側は筋書きを印刷した用紙をお客さんに配布。
最初はセリフ解らなくても面白かったのに途中からダンス・ナンバーも無くてダレてきて。
もちろん私の方がです。
「トップハット」の第一印象は悪かったのですね。
その後、他の9本も同じ様に字幕無しで観ましたが、私達当時の若い世代はダンス・ナンバーなら「有頂天時代」、お話なら「気儘時代」のが絶対面白いという意見が強くて、ベテラン映画評論家先生が推奨する「トップハット」を批判しておりました。もちろんアステアのタップ以外の部分をですよ。
やがて「トップハット」の日本語字幕入りビデオ発売、テレビ放送、映画館上映、DVD発売から現在のYouTubeに至りますが、第一印象のせいでそのいずれでも映画の前半部分“Top Hat”ナンバーから先は観ていなかったのです。
バカな奴ですね!私は。
40年たった今回舞台版を観て初めて登場人物のアレコレが分かり、もう爆笑でした。帰宅してからもアステアの字幕入りDVDを全部観賞いたしました。
大変良くできた面白いミュージカル映画ですね「トップハット」は。
脱帽。
天野 俊哉
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