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Vol.751 何度も出会った洋書その1〜MGMミュージカル映画製作者の本
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英語など読めないくせに映画関連の洋書に目がありません。私がガッツリ外国映画を観はじめたのが12歳の夏。興味を持ったジャンルなりスターなりがポピュラーであれば映画雑誌の特集などでクリア出来たものの、私がハマるのはややアンチな物が多かった様です。
当時の私はサイレント映画時代にコメディ映画の大スターだったバスター・キートンのファンでした。
関連書の所在をキートン映画を輸入していたフランス映画社の川喜多和子さんに問い合わせると、銀座のイエナ洋書店を勧められました。
ミュージカル映画にハマった14歳の頃など学校から帰宅した後、わざわざ銀座まで洋書の立ち読み出かけていました。写真満載のミュージカル映画本を買っていた中で、1度だけ殆どが文字で写真が少しだけという洋書を買いました。
「The World of Entertainment !by Hugh Fordin」
MGM映画会社で名作を作り続けたミュージカルの黄金時代を象徴する製作者アーサー・フリード。彼が製作した1939年の「オズの魔法使い」から1958年の「恋の手ほどき」までの全作品を取り上げた内容で、「ザッツエンタテインメント」が日本で公開された1975年に出版されたペーパーバック版(単行本に対して安価な普及版の文庫本)でした(写真上)。フリードがどの様に脚本や曲を探し、どの様にキャスティングし、最終的にどれだけ会社を儲けさせたか?などが綴られていて、当時殆どのミュージカル映画を観たことが無かった私にとっては最高のミュージカル入門書となりました。この本で得た知識のお陰で、松本晋一さんの様なディープなミュージカル・マニアの方達と知り合う事が出来ました。
この本ですが、大学に入る頃にはテープでどう貼り付けても駄目な位ボロボロになってしまいました。
初めてハリウッドに旅行した19歳の時、ハリウッド大通りに面したブックシティという書店でこの初版本のハードカバー版(写真中)を見つけ、ボロボロになったペーパーバック版の替わりにと購入しました。どんな読み方をしても大丈夫な位しっかりした装丁でしたがペーパーバック版よりも情報が少ないので残念な思いをしました。捨てようと思っていたペーパーバック版は命拾いをした訳です。
この仕事を初めてからですから20代の時、渋谷のタワーレコードで再販されたペーパーバック版を立ち読みしましたが、写真がボケていたのでさすがに無視しました。
そして30代の時、ニューヨークのグリニッジ・ビレッジの古本屋で更に再販されたペーパーバック版(写真下)を見つけました。同じ内容の本を3冊は要らないし、重いので止めようと思いましたが、せっかく出逢えたのだから!と仕方なくこれも購入しました。
という訳で今では東京・LA・NYで出逢った3冊のアーサー・フリード本はわが家で仲良く暮らしております。
天野 俊哉
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