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Vol.745 ルイ・ジュールダン追悼〜地道に活動したハリウッド映画のフランス男優
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ハリウッド映画で活躍したフランス人の男優は数多いですが、この2月に亡くなったルイ・ジュールダンはハンサムではあったけれど、ハリウッド映画では何となく便利に使われてしまった人のひとりです。
ハリウッド・デビューの「パラダイン夫人の恋」はヒッチコック監督作品としてしか記憶されていない失敗作でしたし、その後20年間に主演した作品の多くが皮肉にも女優さんの映画でした。
主演した女優さんの名前を並べると、
ジョーン・フォンテイン
ジェニファー・ジョーンズ
ジーン・ピータース
デボラ・パジェット
マギー・マクナマラ
エリザベス・テイラー
そしてグレース・ケリーなど有名な方がズラリ!
さて、ルイにはMGMミュージカル最後の名作ヴィンセント・ミネリ監督の「恋の手ほどき」という代表作があるのですが、アカデミー賞を沢山受賞したとか、レスリー・キャロンやモーリス・シュバリエが良かったとか取り上げられるのがルイ以外の部分に限られています。
そう言えば彼は主題歌の“GIGI”を実にロマンティックに歌っていました!やっと思い出しました。スミマセン。
ミュージカル映画と言えばコール・ポーターの「カンカン」にも出演しているのですが、シャーリー・マクレーンのダンスやフランク・シナトラの歌が良かったなどルイは忘れ去られています。
私は上にあげたルイの映画を10代で観ていますが、2枚目役よりも印象に強く残っているのが真逆イメージの悪役でした。
例えば歌手のドリス・デイと主演した「影なき恐怖」はまさかの展開でスリルいっぱいの傑作でした。普段は明るいドリスのおびえた表情とルイの凄みのある表情を40年たった今でも良く覚えています。
1970年代以降もテレビの人気シリーズ「刑事コロンボ」や映画「007」でも悪役を演じて話題になり息の長い俳優生活をおくり、近年も映画祭に招かれたりV.I.P.な存在だったそうです。
ルイ・ジュールダンのご冥福をお祈りいたします。
天野 俊哉
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