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Vol.738 青山劇場
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自分が担当しているタップの教室がなん十回も閉鎖されてきたせいか?どこそこのお店が閉店するなどのニュースにも全く反応出来ないひねくれものなのですね私は。
しかし、今年閉鎖される青山劇場に関しては元アニー関係者として想い出がありすぎ寂しく残念な気持ちで一杯です。
先日「東京リズム劇場」の時に、「アニー」OGであり「ON THE TOWN」のミュージカルでは素晴らしいダンスと達者な演技を見せてくれた栗原由佳さんと青山劇場の話をしました。彼女は今では立派なレディに成長しましたが、アニーや青山劇場の話題になると一瞬にして子供の頃演じたケイトの表情にタイムスリップしてしまうのですね。青山劇場の稽古場、楽屋、舞台裏、客席など一つ一つの場所に大人だった私達よりも沢山の記憶、想いでがあるのでしょう。
青山劇場の楽屋入口には、かつて大きな筒の形をしたものが置かれていました。傘のしずくを取る道具でしたが、ゴミ箱と間違えて使用する人が後を絶たずついには製造中止になったそうです。そう言えばいつのぞきこんでもゴミが捨ててありましたっけ。楽屋入りするアニーの子供達が小さな傘を筒に差し込んでパタパタしずくを取る姿が今では懐かしいです。
同じく楽屋入口にあるレストランでは、私と橋爪がとても辛い場面に遭遇しました。最初の手術を受ける前の佐々木隆子先生が、何やら怪しげな薬を取り出し「これを飲み続けると腫瘍が小さくなるんですって!」と私達に説明してくれました。一粒6千円するとも言ってましたが、本当に信じきっている先生が可哀想で「早くなおると良いですね」と声をかけるのがやっとでした。
栗原さん達アニー92年組が隆子先生最後の年になってしまいましたが、まだ少しは元気だった頃の稽古場での事、アザラシのTシャツを着ている子がいました。横文字が苦手だった先生が「これゴムちゃんて言うのよね?」と見事に外し、「ゴマちゃんだよ!」と子供達に大笑いされるという、いかにも先生らしい可愛いエピソードもありました。
ああっ、沢山ありすぎて書ききれません。
1986年からミュージカル「アニー」を上演し続けてきた青山劇場が引退してゆくこの時期に、まさか映画「アニー」の宣伝で毎日毎日TVからtomorrowの歌が流れてくるとは皮肉なものですね。
長い間お疲れ様でした!
天野 俊哉
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