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Vol.735 北原遥子さんの本を読んで〜若くして亡くなったタカラジェンヌ
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宝塚観劇歴35年で、自分の教え子以外に興味を持ったタカラジェンヌはたったの一人北原遥子さんだけです。
二十歳の時、最初に買ったヅカ本に掲載されていた全生徒一覧で目に止めました。たまたまその本の編集を担当していたのが知人だった事からこの北原さんが私と同い年であるとの情報を得ました(宝塚では生年月日の公表はタブー)。
1983年の雪組公演「ゴールデン・ドリーム」はタップダンスをふんだんに取り入れたショーで、東宝の劇場の前の方の席で観劇しました。銀僑と呼ばれる飛び出し舞台に男役の方と一緒に現れた白いドレスの北原さんの美しさに釘付けになりました。歌うでもなく踊るでもなく、ただ微笑んでいるだけでしたが。まさにスター街道まっしぐらだった北原さんですが、あるトラブルから早くに退団する事に。
女優さんとして活躍し始めました矢先の1985年8月12日に、日航機の事故で亡くなりました。当初、私の師匠が同機に乗る予定であった事からたいへん近い存在の事故として今でも鮮明に記憶に残っています。
北原さんの事は、北原さんと宝塚の同期生で親友だった黒木瞳さんのエッセイに書かれていましたが、何となく辛くて最後まで読むことが出来ませんでした。
あの事故から30年目の今年は、色々な形で再び北原さんの事も取り上げられるだろうな?と思っていた矢先、「由美子へ」という北原さんのご両親や知人友人にインタビューをした本を見つけました。もう7年も前に出版されたものです。
手にとって開いたページには、北原さんのお母様が今でも娘さんの部屋を毎日掃除をし、衣替えの季節になると洋服の入れ替えをしている、という事が書かれていました。そう言えば、師匠のお母様も生前同じ事をされていました。
残されたご家族は、ただただ北原遥子の名前を忘れて欲しくないそうです。
読んで良かったと思いました。
天野 俊哉
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