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Vol.732 ハリウッド映画スター追悼〜ロッド・テイラーとアニタ・エクバーグ
 私が映画ファンとして映画を観はじめたのは40年以上前の1972年頃になります。
 テレビでは1950年代に製作された沢山のハリウッド映画を放送。まだ小学生だったのでSF、コメディ、スリラー、ホラー映画などからスタートしました。
 わりと映画ファン成り立て初期に覚えたのがコメディ映画のジェリー・ルイスやサスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督。テレビで放送されるたびに同じ作品を何度も観たものです。
 この1月に私がその頃から知っているハリウッド・スターが2人亡くなりました。残念ながら歌ったり踊ったりするミュージカル・スターではなかったのですが、個人的な想いで取り上げたいと思います。
 ヒッチコック監督作品の中でもその題材と展開が子供でも判りやすい作品が「鳥」です。モデル出身の美人女優ティッピ・ヘドレンや町の人々が次から次へと無数の鳥に襲われてゆく怖い映画。そんな時でも力強く鳥からヒロインを助けるスーパーヒーロー役を演じたのがロッド・テイラーでした。テイラーという俳優には美男美女が多いのですが、ロッドもハンサムでした。他にもジュールベルヌ原作のSF映画「タイム・マシン」やドリス・デイとのコメディで活躍しました。今思うと「これぞロッドテイラーの映画!」という作品は不在なのですが、上に挙げた作品のインパクトは私にとっては絶対でした。
 1950年代は、グラマー女優という名称がつく事でマリリン・モンローの二番煎じ扱いをされました。
 私はジェリー・ルイスの大ファンだったので彼の「画家とモデル」「のるかそるか」でヒロイン役を演じたアニタ・エクバーグを早くから知ってました。アニタも単なるグラマー女優で終わるハズだったのですが、ハリウッド映画でなくイタリア映画で映画史に残る名作に出演する事に。
 それが1960年フェデリコ・フェリーニ監督の「甘い生活」です。黒いドレスを着たアニタがトレビの泉に入る場面が有名です。
 フェリーニ監督はあまり演技派でないアニタから最大限の魅力を引き出す事に成功しました。
 2004年の宝塚歌劇のショー「ロマンチカ宝塚04」で、美しい壇れいさんがアニタと同じドレス姿で登場した事があります。
 私の父とほぼ同世代のロッド・テイラーとアニタ・エクバーグの御冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉




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