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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.731 ジーン・ケリー「舞踏への招待」
 MGMミュージカルの大スタージーン・ケリーが全編ダンスのみで構成した「舞踏への招待」“Invitation to the Dance”を取り上げます。
 3話構成93分の作品。
@Circus
(嘆きのピエロ)
ARing Around The Rosie
(腕環のロンド)
BSinbad The Sailor
(日本未公開)
 日本では何故か3話をバラバラの短縮版にして1957年に劇場公開しました。カッコ内が公開時のタイトルです。
 80年代にビデオ発売され全編を観る事が出来たものの2015年現在、日本でのDVD発売はまだです。
 ジーン・ケリーの野心作でありながら全くヒットしなかったそうです。
 確かにセリフ無しで93分はキツいかも知れませんが、30分ずつのオムニバスにした事で一般の観客にも受け入れやすくしたあたりは流石だと思います。泣かせ、笑わせ、楽しませるバランスも良いです。
 @「嘆きのピエロ」はジーン・ケリーが愛する道化の世界をロマンチックにそして悲しく描きました。
 私が先のY'sコラムでオムニバス映画として傑作と評したのがA「腕環のロンド」です。フランスのオムニバス映画に「輪舞」という名作があるのですが、多分ジーンはこれをお手本に「腕環のロンド」を創ったのではないでしょうか?1つの腕輪が様々な人の手に渡るドラマをダンスで表現。
 男性→美しい妻→恋人の画家→モデル→詐欺師→ファムファタル→歌手→受付嬢→兵隊→娼婦そして再び男性へ。
 ジャズピアニストとしても知られるアンドレ・プレヴィンの洗練された音楽、そしてジーン・ケリーをはじめイゴル・ユスケヴィッチ、トミー・ロール、タマラ・トマノヴァらダンサー達が素晴らしい。
 最後のB「Sinbad」は私がアニメとのコラボがイマイチと評しましたが、あくまでも私の意見ですので念のため。
 後にボブ・フォッシの名ダンスナンバー“Steam Heat”で有名になるキャロル・ヘニーが少しだけ出たり、ジーン・ケリーと男の子との軽いソフトシューがあったり素敵な展開。そしてジーン・ケリーがひとりハナ&バーバラのアニメの世界に飛び込んで行きアニメのキャラクター達と踊りまくるのです。
 アメリカではDVD発売されているのでダンス関係者には特にオススメ、必ず観てもらいたい作品です。

天野 俊哉




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