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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.726 生誕100年ジョルジュ・ゲタリー〜「巴里のアメリカ人」のシャンソン歌手
 MGMミュージカルの最高傑作の1つ1951年の「巴里のアメリカ人」でハリウッドデビューした歌手のジョルジュ・ゲタリーが生誕100年を迎えます。
 先のフェルナンド・ラマスも1951年デビューなのでMGMには同期入社になるのかも知れません。しかも外国人で同い年です。
 私はゲタリーの生い立ちやキャリアをほとんど知りませんし、歌手と言っても映画のサントラ盤の歌しか聴いた事がありません。
 「それで生誕100年コラムかい?」とお叱りをうけてしまいそうですが、まあ堪忍してえな。
 映画に先立つ1950年にブロードウエイの「Arms and the Girl」といういささか弱いタイトルのミュージカルにナネット・ファブレイと主演。ヒットはしませんでしたが、二人揃ってハリウッドに注目されました。
 ゲタリーに続いてファブレイも1953年にMGMでフレッドアステア主演「バンドワゴン」に出演する事になります。
 近年DVDには様々な特典映像が収められており「巴里のアメリカ人」にはメイキングや削除映像などにゲタリーに関する情報がありました。
 同映画でのゲタリーと言えばレヴューでの高い階段を使ったソロナンバーが有名ですが、実はカフェでガーシュインのラブバラード“Love Walked In”を歌う場面もあったのです。私は1度だけ観た時に「ハンサムだけど退屈なナンバー」という感想を持ちました。歌っている時の表情が平凡でした。まあ削除されて正解でしたね。
 またメイキングによるとゲタリーが演じたロマンチックな歌手アンリ・ボレル役はモーリス・シュバリエがやるはずだったとか。もしシュバリエが出演していたら63歳のシュバリエと40歳のケリーが若いレスリー・キャロンを取り合うなんて不気味なミュージカル映画になっていたはず。
 まあ実現しなくて良かったです!
 今年のお正月にもBSで放送されていた「巴里のアメリカ人」。
 ジョルジュ・ゲタリーをお忘れなく。

写真右 上からジョルジュ・ゲタリー、ナネット・ファブレイ、“I'll Build A Stairway To Paradise”
写真下 左から“S Wonderful”、削除された“Love Walked In”2枚

天野 俊哉




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