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Vol.691 健さん追悼
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高倉健さんでは感じが出ません。やっぱ健さんです。
実を言うとバニー・ブリッグスと同じくらい、私は健さんとは縁がありません。
「そんで追悼かい?」と健さんファンの方々に脅されてしまいそうですが、だからこそ書いてみようと思いました。
私が育った亀有には亀有東映という映画館が一軒だけありました。そしてその映画館で上映されている映画のポスター3枚(当時は3本立て)が、私の小学校前に必ず張り出されていました。
それって今考えるとかなりヤバい環境だと思いますが、また別の機会に。
つまり登下校に必ずチェックをしていましたね。
ただし、小学校6年間で私が亀有東映に出入りか許された作品は「東映まんがまつり」と「千葉真一主演映画」のみ。しかも母がポスターを隅から隅までチェックをして女性の裸が少しでもあると不許可になりました。
さあ、ここからですよ!女性の裸と共にもうひとつの不許可が何と「健さんの映画」だったのです。
だってポスターの健さんて必ずドス持ってるでしょ、母が言うには「ピストルならいいけどドスはダメ」訳のわからない事をおっしゃる。
次、中学生になり新宿昭和館という柄の悪い3本立ての映画館に行きました。恐いお客さんが多くて、嫌な予感が。東映のやくざ映画ばっかり上映していたのですが、たまたま健さんの映画が始まった途端にお客さん同志で喧嘩が始まったんですね。それも凄く近くで。まだ若くて布団の上で静かに死にたかった私は巻き込まれないうちに席を立ちました。
次、高校生になり話題の角川映画「野性の証明」を観に。今度こそゆっくり健さん映画を、でも健さんすっかり足を洗ったようで真面目な人に。ううん、違う。
時は流れて2005年、友人が出演していた舞台「テネシーワルツ〜江利チエミ物語」を観にシアターアプルへ。
さあ、健さん役の人ってどうやって登場するのかな?凄く期待しました。するとどうでしょう、健さんシルエットのみのイメージ出演だけでした。うまい演出。あっぱれでしたね。
そして健さんが亡くなりテレビでは次々と追悼番組が。犬がこきつかわれる「南極物語」は絶対パス。
そしたらテレビ東京がやってくれました「網走番外地」。タイトルの書きなぐった真っ赤な文字が超懐かしい!
小学生時代にタイムスリップしてしまいました。
健さんと共に今はなき亀有東映、新宿昭和館の思い出が浮かび上がってきました。
ホントに初めて観れたんです健さんのやくざ映画を。
やっぱ、これだね!
高倉健さんのご冥福をお祈りいたします。
天野 俊哉
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