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STUDIO : 戸塚スタジオ
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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.63 エンターテイメント やぶにらみ
ひと回り上の兄が高校生の頃、幼い私の子守をダシにしてつれて行くのは、いつも錦糸町の映画館。「現金に手を出すな」「墓石に唾をかけろ」などのギャング物。ハンフリー・ボガートやジョージ・ラフトの銃の構え方、煙草のくわえ方をどう捉えていたのでしょうか。映画は嫌がらなかったらしいしバックに流れる音楽も好きだったようです。ミュージカル映画にもつれて行かれました。兄は美しい女優を表して、よく「百万ドルの脚線美」と語っていましたが、何とも魅力的な響きでした。家に帰るとラジオFENからワン・ナイト・スタンドでベニー・グッドマン、ハリー・ジェームスがかっこよくスウィングしていたのを今でも覚えています。それ以来JAZZとミュージカルは生活の一部でした。特にJAZZはずっと聴いて来ました。はじめてニューヨークに行ったのは1979年。「ニューポート・ジャズ・フェステバル」が目当てでした。 中でもカーネギーホールには4度も通いました。先述の今は亡き大物のB・グッドマンやC・ベイシー、H・カーマイケルなどのアーテイストを目前にして感激しました。そんな時、町の新聞スタンドにキラキラした衣装にトップハットのポスターに引き寄せられ早速劇場に。その帰り道は周囲のことが目にも耳にも入らない程に感激しました。こんなに素敵な世界があったのか!それが「コーラスライン」との出会いでした。熱い思いで翌日はラジオシティ・ミュージックホールに向かっていました。その舞台の広さと美しいラインに見とれました。そこに「百万ドルの脚線美」がありました。他のことはいざ知らず、この国のエンターティンメントの凄さをみせられたのです。以来、ミュージカルの比重が増えました。日本もかなりの舞台を提供できる力量を持ち、嬉しい限りです。
今年5月に3度目のニューヨークに行きました。午前中に到着するANAを選びました。そしてすぐ、復活したブロードウェイ「コーラスライン」を28年ぶりに観ました。劇場が変わったせいか雰囲気も音響も舞台もこじんまりした感じを受けました。看板であるキャシー達の踊りは最高でしたが…。これまでブロードウェイでは10のミュージカルを観ました。この少ない経験の中で心に残った舞台は'79年の「コーラスライン」、'00年の「コンタクト」、'07年の「オペラ座の怪人」です。この3作は他の作品を圧倒するものでした。いずれにしても全ての劇場で観客が反応します。観る側と演ずる側とで舞台を創りあげている印象が強かったです。
それでも「ミュージカルの黄金時代は1980年に終わった」という趣旨の本を出版された先生もおられるように魅力ある新作が少なくなっていることは事実だと思います。文学的云々と難しい点を指摘される方もいるようですが凡人には分かりません。“現れよ、コール・ポーター”といったところでしょうか。私としてはガーシュインのうっとりするメロディー溢れる「クレイジー・フォー・ユー」なんかが大好きです。タップ音が輝くように響いてウキウキするような楽しいタップミュージカル作品を待ちたいと思います。
タップダンスは銀幕の中や舞台の上で観るもので、自分が踊るなんで考えたこともありませんでしたが、私は年を取ってから天野先生の教室に在籍することが叶いました。14年程経ちましたが、習うというよりただいるだけの存在です。最近はジャズライヴに加えタップライヴに行くことが増えました。ジャズは既に市民権を持ち様々な客層ですが、タップの方はその道のプロやインストラクターや生徒さんが主なお客です。狭い世界です。何で広がらないのでしょう。いつも想います。私はライヴには友人等を連れて行くようにしていますがイマイチ盛り上がりません。アメリカのライヴで経験したのは出演者の代表が席をまわって挨拶に来ます。それも超有名人が、です。わが国の演奏者もダンサーも友人のテーブルには行くでしょう?もっとスマートにやって頂きたいです。シャイすぎます。
大まかにいろいろ書いてきましたが、最後にニューヨークをお勧めして終わります。今のブロードウェイは新宿や渋谷の賑わいです。警察官、警備職員もいっぱいいます。42番街も生まれ変わりました。世界でも一番安全と言われるようになりました。この街にディズニーを迎えるにあたって行政が奇跡的な執行をしたからです。悪戯書きもないし夜の女性一人歩きも安心です。
マンハッタンは出来たら全工程を歩くか自転車でまわるといろいろ観たり経験が出来ます。橋を渡るのも良いですね。そうすることで地図も覚えます。疲れたら時間不定なバスより地下鉄が良いですね。地下鉄の構内はすっきりしています。表示が少なく不親切で分かりにくいので、間違わないようにしたいです。時間がありましたらヤンキースタジアムに行って下さい。気持ちが良いです。ちょっと気張って1階席がお勧めです。

小島 文雄





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