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Vol.62 たまには聴くタップなんていかが?
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DVDでミュージカル映画が安く買える今日、聴くタップというのがどれほど価値のあることなのかわかりませんが、かつてはとても重要なことでした。私は学生時代、1枚¥2,500〜¥4,000もする海賊版のレコードでミュージカル映画のタップを聴いていました。ビデオ・ソフトが普及する以前の話です。レコードからCDの時代に移行してからは激減し、最近ではほとんど見かけなくなりました。そんな中で今回皆様に紹介するCDは、タワー・レコードなどでとても安く簡単に入手できたので取り上げてみました。
「The Very Best of Gene Kelly」
(PLSCD763 イギリス)
先日、Y'sのダンスチームPure Jewelsのメンバーから、毎日聴いているのが「ジーン・ケリーの歌とタップ」であることを聞いてびっくり。そう、この世の中で幸せな気分にしてくれるタップの主はジーン・ケリーをおいて他にいないでしょう。
たった¥620で買えるこのCDは、数あるケリーのCDの中でも貴重な1枚と言えます。「雨に唄えば」「踊る海賊」「巴里のアメリカ人」「ブリガドーン」などの映画からのセレクションにはタップの音が入っていません。よく見つけてきたなと思ったのがM-8“I Begged Her”(「錨を上げて」)でのフランク・シナトラとのデュエットで、これはラジオショーのライブ録音です。女性ファンのキャー、キャーという声が当時のシナトラのすごい人気を物語っています。KAT-TUNの田口君がタップを踏んだら、多分こんな感じなのでしょうね。
さて、1947年にケリーが録音したレコード“SONG AND DANCE MAN”から歌とタップの入った4曲がここに収録されています。私は、M-20“Doin' the New Low Down”がとても好きです。タップの神様ビル・ボージャングルス・ロビンソンのテーマ曲とも言えるこの曲を踊るタップ・ダンサーの多くは、例えばグレゴリー・ハインズほどの人でも、ボージャングルスのステップを忠実に踏んでいるのに、このケリー版はどこからどう聴いても見事にジーン・ケリー・サウンドになってしまってます。これら4曲は、タップを踏むケリーの人懐っこい笑顔が浮かんできて、とてもハッピーな気分になること請け合いです。おすすめします(リンクしている松本晋一さんのHP「松ちゃんのタップワンダーランド」のレコード・コーナーでこの“SONG AND DANCE MAN”のレコード・ジャケットが見られます)。
天野 俊哉
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