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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.603 戦場カメラマンが撮ったジーン・ケリー
 このGWに恵比寿ガーデンプレイス内にある東京写真美術館で開催されている写真展「101年目のロバート・キャパ〜誰もがボブに憧れた」に行ってきました。
 もともとこの美術館の入口にはキャパが戦場で撮影した有名な写真を大きく引き伸ばしたものが飾ってあるので、ここを訪れる度必ず下から見上げていました。
 ロバート・キャパは、1913年に生まれたから「101年目の」であり、1954年に亡くなったので今年は没後60年にあたります。
 自伝のタイトルにもなった戦場での「ちょっとピンボケ」な写真のカメラマンの印象が強いので今まで避けていた私ですが、何か引かれるものを感じての入館でした。
 ヘソ曲がりな私は展示物を丁寧に順序通りに鑑賞した事がありません。引かれる作品をジックリ、そして何度も何度も眺めるだけです。
 今回は女優イングリッド・バーグマンをはじめとするキャパの恋人であった女性達の写真や、戦車の上で鼻をほじっている少年の写真などをジックリ眺めました。残念ながら私の鑑賞なんてこのレベルです。
 さて美しいバーグマンの写真に見とれて、次に出てきたのがまさかのジーン・ケリーでした。
 戦後、パリのMGM映画撮影所で撮影されていた「舞踏への招待」での振付をキャパが撮影した珍しい写真。
 何てユニークな写真なのでしょう?
 ダンスをうまく撮影した写真なんて、滅多にお目にかかれませんからビックリです。また、ジーンの表情が良いですよね!
 帰りがけに併設のショップで、このジーン・ケリーの写真がポストカードサイズで売られていたのでさっそく購入しました。
 デジカメから携帯・スマホへと便利になり、山のように写真が撮れる時代にあって、一瞬一瞬に命をかけシャッターを押し続けたキャパのアナログな作品を、もっともっとたくさんの若い皆さんに見ていただきたいなあ、とも思える写真展でしたね。

天野 俊哉






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