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Vol.591 ドップリ!エンタメコラム「我が青春の角川映画」
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日本映画界が低迷していた1980年代の初め頃、映画プロデューサーとして脚光を浴びていた角川春樹氏が「今後、日本映画はどうなりますか?」という記者の質問に「(薬師丸)ひろ子や(原田)知世が脇を固める様になった時に本当の日本映画の時代がくる」と答えておりました。
この言葉に凄い衝撃を感じた私は、今日に至るまで忘れずにいました。そして正しく現在、その時代になったと私は思います。
かつて一世を風靡した角川映画ですが、春樹氏のスキャンダルなどで今や伝説。
先日書店で「角川映画1976―1986日本を変えた10年」なる本を見つけすぐ手に取りましたが、発行元が角川なので「なんだ!自社宣伝本か?」と一気にシラケてしまいました。とりあえず筆者の《あとがき》だけ目を通したら、決してそんな流れで出版された本では無いことを知り、納得出来たので購入ました。使用するスチル写真の許可に苦労したとも言います。
雑誌「関西ウォーカー」での連載が発端との事ですが、連載ものにありがちな時代背景の説明、記録の繰り返しが少ない(資料編としてまとめた)のは助かりましたし、変な引き延ばした文章がないのも魅力。
また、春樹氏に偏りすぎず、映画作品とのバランスが良くとれています。
筆者の中川右介氏は、かなりの分量の資料に目を通し、原作本から映画に至るまですべてを再チェックした様で、近年つまらない映画関連書が多い中、見事な一冊が誕生しました。
松本晋一さんを別にすれば、ぜひこのような方にすぐれたミュージカル映画書を書いて頂けたらと思いました。
それにしても角川映画と同じ時代に生きてきた私などは、角川映画こそは永遠に輝き続けるものと信じていました。
たったの10年間で終わってしまったとは!
興味のある方はぜひ読んでみて下さい。オススメいたします。
天野 俊哉
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