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Vol.543 YouTubeで観るジーン・ケリーTV映像その後1
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ハリウッド・ミュージカル時代に大活躍したフレッド・アステアとジーン・ケリー(以下GK)のお二人。
1950年代後半ミュージカル映画時代の終りと同時にTVに活動の場を移しました。
今日までアステアのTVショーはかなり有名で、ビデオ・レコード・DVD・CDそしてYouTubeまで幅広く目に触れる事が可能です。
一方のGKは先のコラムでご紹介した様にゲスト出演したものはあるものの彼がメインのショー番組は存在しないかの様でしたが、驚いた事に昨年末《The GeneKelly Show 1959》(52分)が突如YouTubeに登場しました。
TVショーと初めて契約を交わした時にアステアは「もうシルクハットをかぶり燕尾服を着て昔の歌を歌うのはイヤだ」と宣言し、若いバリー・チェースをパートナーに選びました。60歳を過ぎてまだまだ進歩的だったのに対し、GKのTVショーは良くも悪くもGKの集大成のショーに終わっています。と、こう書くとまるでアンチ・ケリーの様に思われますが、私は大のGKファンであります。
1942年から1957年までの15年間にGKが創ってきたダンスの数々がこの52分のショーに全て納まり、しかもこの後20年間さらに繰り返してゆくわけですね。偉大なるワンパターン、偉大なるワン・アンド・オンリーがGKの最大の魅力。また、このショーを観て改めて「あっ、この人は振付師でなくダンサーだったんだな」を実感しました。やっぱ凄い動きですもの。いつも同じ振りなのに観る全ての観客を引き込んでしまうカリスマ性があります。何か私の師匠と似ています。
つづく。
天野 俊哉
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