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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.509 In Search of“JAZZ”3
 12月25日に銀座王子ホールの「In Search of“JAZZ”3」に行って来ました。王子ホールは、クラシックコンサートで使われることが多い、約300席の小ぢんまりしたホールです。小さい割に天井は高く、舞台も床も壁も木で、わずかに丸みを帯びた側面が客席を包み込むようなやさしい雰囲気を醸し出しています。

 半円形にせり出したステージ中央には厚手のタップ板が敷かれ、向かって左手にグランドピアノ、右手後方には小さなテーブルと椅子4脚。この椅子がピアノ用の背中がまっすぐの椅子、というところがいかにもクラシックのホールという感じです。セットを見るだけで、これから始まるパフォーマンスの空気感に引き込まれます。

 開演時間になり照明が落ちると、やわらかなピアノ演奏が始まり、ダンサーが一人ずつ舞台上に現れました。無垢の木と金属のチップが奏でるとは思えない、薄いヴェールを扱うような繊細なサウンドです。後ほどMCで説明がありましたが、今回のステージはマイク無しの「生音」とのこと。恐らくは、マイクなしに加え、クラシック用ホールという環境のためか、今回私は、これまでに聞いたことの無いタップサウンドを体験することになりました。つまり、音が自分の耳に最短距離でまっすぐ届くのではなく、天井や壁に反響して上から降ってくるような感覚です。静かなステップであればしんしんと降る雪のように、もう少し強い音であればトタン屋根に打ち付ける大粒の雨のように。

 ステージの前半はMCも無く比較的静謐な雰囲気で、特にクリスマス的な要素を打ち出していないにも関わらず、ある意味ではクリスマスを想起させるものでした。ある意味とは、街を彩る商業的なクリスマスではなく、雪の中教会のミサに出かけ、家に戻って慎ましいディナーをいただくといった、本来のクリスマスのありようです。「観る」でも「聴く」でもなく、「感じる」タップを、じっくりと味わうことができました。

 他にも、ご機嫌で踊る女性ダンサーと、その周りをウロウロして合いの手を入れる男性ダンサー(男性はチップなしの靴なのでほぼ無音。エアーでロールしてました!)の絶妙なデュエットや、「7・7・4」でカウントする理解不能なリズム、軽〜い感じでXmasソングを歌い出したと思ったら、ハモルわ、転調するわで、なかなか侮れないナンバーなど、後半はMCも入り、お客さんの手拍子が加わって、笑いの絶えないステージとなりました。

 25日に独りでこんなところにいて良いのかなあ、なんて気持ちは、公演が終わる頃にはすっかり吹き飛び、スノードームさながらハッピーなリズムで包まれたクリスマスになりました。

天野先生の生徒




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