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Vol.502 映画版「On Your Toes」のトホホその1
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主役は「ローマの休日」のあのエディ・アルバート!
1936年のブロードウエイ・ミュージカル「On Your Toes」は3年後にワーナー映画で映画化されました。ミュージカルを製作する事にかけては一流だったワーナーなのですが、私は今日までこの映画版の情報はほとんど得られませんでした。なぜならレコード、CD、ビデオ、DVDなどでの発売がされていないからです。しいて言えば1984年のMGM映画「ザッツ・ダンシング」にそのワンシーンが収められていた位ですね。
今年アメリカでTV放送されたものをやっと観たのですが、ミュージカル・ナンバーがたったの3曲でしたので、もしかしたら映画史ではミュージカルというより音楽入りドラマ映画として見られているのかも知れません。
舞台で主役を演じタップダンスとバレエをふんだんに魅せてきたのがレイ・ボルジャー、ボビー・ヴァン、アダム・クーパーらダンス界のプロフェッショナル達です。ところがワーナーが主役に選んだのが先のコラムで触れたあの名作「ローマの休日」のカメラマン役エディ・アルバートでした。しかもデビュー間もない俳優の彼がなぜ?
生涯200本以上の映画に出演したエディですが、それ以前にダンサーだった記録はありません。歌手云々の記載はありますが、残念ながらこの作品に歌うシーンはありません。
さて現在YouTubeにはこの作品のダンスナンバーを2分だけ観ることが出来るので「Vera Zorina in Slaughter On Tenth Avenue」を検索してダンスをチェックしてくだされ。そう女性を持ち上げ優雅に回しているのが間違いなくエディなのです。確かに「踊れるのか?君は!」と錯覚を起こしてしまいますが、このあとタップダンスを踏み出すと急に全身が映るショットが無くなり、顔のアップとステップを踏む脚のショットが交互に登場するようになります。タップダンスは完全に吹き替えで、「シカゴ」のリチャード・ギアを思い出しました。おいおい誰か踊れる奴キャスティング出来なかったの?とケチをつけながら笑って観てました。
ちなみにこのエディ・アルバートの少年時代を演じマジにタップを踏んだのが「雨に唄えば」の名ダンサー当時13歳のドナルド・オコンナーなのです。もう滅茶苦茶ですね。
ただいろいろ言ってますがタップダンス以外の彼エディは良かったと思います。これ以降、偽タップダンサーに見切りをつけ、助演級の俳優として渋い演技で今日の名声を築きました。
天野 俊哉
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