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Vol.497 宝塚歌劇宙組公演「風と共に去りぬ」
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私はいまだにこの名作を観たことがありませんでした。1939年に初めて映画が製作された時のさまざまなエピソードを綴った書物やメイキング映像は山の様に読んだり観たりしているのにです。
そしてこの11月遂に観ることになりました。しかも映画ではなく宝塚歌劇の舞台版をです。
1977年初演の宝塚版「風と共に去りぬ」の演出は、ベテランなのに色々な意味で人気の無いUS氏がずっと手掛けています。US氏を語ってきている評論誌は山の様にあるので、ここではあえて触れません。悪しからず。
で、作品ですがとても分かりやすく楽しめました。宝塚版で私が特に気になったのは次の3つでした。
その1「意外に安上がり」
大劇場や東宝での公演は何と20年ぶり。なぜか規模もキャストの人数も少ない地方公演ばかりのこの作品。実は、もう小回りが出来る様に、全国の劇場での仕込みバラシが早く出来る様に舞台装置が組まれていて大作の割にチープさを感じました。衣装も使い回せるはずです。
ただ、映画で有名なアトランタの炎上シーンでの馬車のセッティングなど気のきいた演出だなと思いました。
その2「ふたり?」
笑ったのが、スカーレット・オハラが二人登場する事です。本物と心の中のスカーレットが登場して喧嘩をしたり一緒に歌ったりするのですね。ヅカファンの間ではもう当たり前の光景なのですが、逆に宝塚ならではの演出として許されてしまうものだと思いましたし、映画でなければ表現出来ない部分もこの方法ならば観客に伝わるのかな?と。
その3「昔のままで」
この作品には厳しい著作権があり勝手に改作が出来ません。昔からご覧になっているファンの方によると、「何も変わっていない」そうです。
確かに馴染みの曲も素敵ですが、中には70年代を思わせる歌謡曲風なものがありましたし、振付もその時代に作ったんだろうなあ、みたいな古めかしい振りがあってコケました。
今回の公演はチケットが発売と同時に完売してしまいました。近年、予算がかかるレビューやショーが激減し、「ベルサイユのばら」「ロミオとジュリエット」などお芝居の1本立てばかり。観客が飛びつく安定した演目に目が向けられている事は、TAKARAZUKA REVUEファンとしてとても残念ですね。
天野 俊哉
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