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Vol.49 「2007年の東京リズム劇場」を振り返って 天野編
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東京リズム劇場（以下、TRT）の最大の魅力は稽古場の明るさ、楽しさです。多くのことを創作しなければならない松本先生を別にすると、私達出演者はいつもゲラゲラ笑っていました（逆に、本番中、舞台そでで私達のお芝居を観てひとりゲラゲラ笑って楽しんでいたのは松本先生です）。
今回は地方公演もあったので、最終稽古や千秋楽、その後の打ち上げも寂しくありませんでした。
2007TRTのオープニングは、大好きな“We are in Love”でした。私は、ストリングスの入ったビッグバンド・サウンドで踊るのが好きなので、イントロからバリバリです。前回に続いて歌のうまい森田洋介君が渋いノドを聞かせてくれました。
今までTRTのオープニングは、決まって冨田先生たちのトリオ漫才からスタートしていたので、森田君をはじめ私達は少し心配していました。しかし、多くのキャストがその座を狙うほどカッコイイオープニングでお客さまも笑顔で迎えてくれました。
久しぶりに、みすみ先生とソフトシューズでデュエットさせていただきました。とても短いデュエットでしたが、2人の呼吸がぴったり合うようになるまで、みすみ先生のスタジオでお稽古ができてとても良い勉強になりました。本番では大人っぽく踊ることが出来たと思います。
TRTにおける燕尾とドレスのショー・ナンバーは今回「マイ・フェア・レディ」の“踊り明かそう”でした。
歌の栗原由佳さんをはさんで、男性が私と松本先生（まるで東京リズムボーイズの様でした）、そして黄色いドレスの美女4人（まるでブルーチェリーズの様でした）が優雅に踊るこういうナンバーは、最近のタップのショーではほとんど観られなくなったスタイルです。こういうタップを踊りたくてタップをはじめた私や松本先生にとって、夢のような瞬間でした。
いつも話題の「タップ名作劇場」は、なかなか稽古がスタートしないので今回は無いのか皆で心配していましたが、12月になって作品が伝えられホッとしました。「サウンド・オブ・ミュージック」（以下、SOM）のビデオを30年ぶりに観て、私がいただいたトラップ大佐の役がとても大きく、セリフも多いのでゾッとしました。
ところが、いざ台本を開いてみると、私のセリフは長くても2行ほどなのでホッとしました。「エーデル・ワイス」の歌もありませんでした。
「タップチップ物語」「ハイジ」に続いて冨田先生のセリフは、膨大な量でしたが、本読みの段階から見事でした。マリアと同じくらい出番の多い子供役7人も達者でした。
長女役のみすみ先生と恋人役の押田先生のはじめての立ち稽古で、出会った2人がすぐに抱き合ったので、その場に居合わせた私達はびっくり。台本には「ロルフ」「リーズル」「会いたかった」としか書かれていなかったからです。この2人「リトル・マーメイド」の時も恋人役でしたから、もうすっかり息のあったコンビですね。
コンビと言えば、私と橋本先生は「NATIONAL TAP DAY 1999」でほんの少しデュエットした以外、TRTでは並んだことすら無かったのです。実は「タップ好きの妻とそれを全く理解しない夫」のエピソードは、当初、私と橋本先生が別のバージョンで稽古していました。「2人でやっと共演できましたね」と喜んでいたので、次の週、ボツになった時はがっかりしました。
しかし、この「SOM」では、親子共演ができました。さらに、普段一緒に踊ることのない高橋しん子さん、関島邦江さん、今回初参加の加藤忠さんとも多くの場面でいっしょだったので楽しかったです。
稽古としては一番最後にスタートしたのが「タップ人生ラリー」でした。演じている私達は、あれほどお客様に受けるとは想像していませんでした。台本に書かれている内容は、指導している側としてはよくある事なのですが、普段それを生徒さん達に話したりする事はありません。教師側のボヤキネタと言って良いでしょう。
今回、全ページフルカラーの豪華なプログラムが作られましたが、皆様買われましたか？顔写真以外にもう一枚舞台写真を載せてもらえる、しかも「載せたいものなら何でもOK」ですって。くせ者ぞろいの20名の出演者の中で、「たぶんあの人とあの人は何かユニークな写真を出してくるぞ」と思い、私も参戦する事に。ところが、出来上がったプログラムを見てびっくり ! ! 私ひとりでしたね、こんな写真出したのは ! !（初舞台にて。センターが私です）
天野 俊哉
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