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Vol.434 ショー番組の時代その4
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さて今回は、NHKの音楽番組ショー番組として忘れる事の出来ない「映画音楽大全集」シリーズをとりあげます。年に1度か2度単発で企画され、NHKホールに観客を入れての公開放送でした。
私が初めてテレビで見たのが1982年、アルバイトで仕事として付いたのが83年、隆子先生が中野ブラザースさんと競演したのが85年。何かと縁のある番組でした。視聴者から集められた映画音楽のリクエストをその時代を代表する歌手、ダンサーらエンタテイナー達が歌い踊る。大勢のスター達を公共放送の強みでズラリと揃えてしまうパワーが良くも悪くも当時のNHKにはありました。
演出をされていたOSさんの企画力がこの番組を魅力的なものにしていました。
何が魅力的であったかと言うと以下の3つです。
1. スター競演
商業演劇の世界ではなかなか顔合わせが叶わない人。
前田美波里さんと鳳蘭さんとか、真田広之さんと小柳ルミ子さんそして隆子先生と中野ブラザースさん。
もし嫌でもこの番組なら笑顔で出ざるを得ませんよね。
2. 舞台作品
舞台を中心に活動していた宝塚と松竹の両歌劇団の演目が。これらは今観ると貴重で、当時ビデオなど発売されていなかった頃の峰さを理さんの「オクラホマ」などがメドレーとして残されています。
また、当時退団したばかりの麻美れいさん、順みつきさん、春日宏美さんをいち早く誘ったのもこの番組でした。
3. 振付の記録
劇団四季ミュージカルで見事な振付をされていた山田卓先生が沢山の作品を残しました。どちらかと言うとギャラクシーやクイーンズなどプロのダンサーズに多く踊られていましたが。
また、今は無き松竹歌劇団が出演して“ビギン・ザ・ビギン”を踊った時は国際劇場で振付をしていた松見登先生のステージングに接する事が出来ました。有りがたい事です。
わが家の戸棚にしまってあるこの番組の映像から無理矢理ベスト3を選んでみました。
ベスト3
1982年 山田卓振付
“マンボ・バカン”
梓みちよ歌 春日宏美、高城美輝踊り
ベスト2
1985年 山田卓振付
“ニューヨーク・ニューヨーク”
鳳蘭歌 ギャラクシー踊り
ベスト1
1985年 中野章三振付
“ディガ・ディガ・ドゥ”
佐々木隆子、中野ブラザースタップダンス競演
この時、隆子先生が着ているブルーのワンピースは、同じNHKの音楽番組で、松坂慶子さんのタップダンス振付を担当した際、松坂さんからプレゼントされた大切なものです。
さて、83年頃から、TBSのショー番組「ナイト・スクエア」には少年隊がレギュラー出演したりしていましたが、私の記憶する限りこのNHKの「映画音楽大全集」にはその様なキャスティングはありませんでした。あくまでも大人向けショーとしてのプライドを持ち続けていました。もし今、この番組が企画されたら、たぶんジャニーズとAKBに占領された「映画音楽大全集」になってしまうのでしょうね。
天野 俊哉
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