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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.401 映画館でコメディ映画を〜マルクス兄弟
 先のシネマヴェーラでのラインナップの中にもう一本思い出深い作品があります。「マルクス兄弟のデパート騒動」がそれです。私が映画ファンになった頃、マルクス兄弟のコメディ映画は伝説的存在でした。作家で映画評論家の小林信彦さんが雑誌「キネマ旬報」のコラムで取り上げた事から話題になりました。たった13本の主演作しか残していないところに、カリスマ性を感じます。
 「マルクス兄弟のデパート騒動」は、そんな彼等の最後の方の作品で、ミュージカルナンバーをバランス良く配置したコメディ。
 私が16歳の夏、新宿にあったアートヴィレッジという小さなホールで突如「マルクス兄弟のデパート騒動」が上映されることに。日本ではなかなか観ることが出来なかったせいか場内はほぼ満席。そして、その日に起きた小さな出来事を私は忘れる事が出来ません。
 私の隣には場違いな若いカップルが座っていました。話の内容から女性の方は、もっと新しい映画を見たかった様ですが、男性はそんな女心を理解せず、初めてみるであろうマルクス兄弟の話題に終始していました。なんとなくチグハグな二人の会話に私は釘付けに。
 さて、映画が始まり、タイトルがでました。すると男性「あっ、トニー・マーチン(1940年代の人気歌手)がでてる」嬉しそうに叫びました。すると女性「誰、それ?」。その後、シラーッとしたまま二人とも笑いもしませんでした。私は、トニーの何が、彼女をおこらせてしまったのかが気になって、映画には全く集中出来ませんでした。そして、二人は「デパート騒動」が終わると、もう一本の「マルクスの二挺拳銃」を観ずに黙って席を立ち出て行ってしまいました。その後、彼等がどうなったかは知りません。
 今でも、この映画のタイトルを見ると、不幸な彼等のデートを思い出してしまうのです。上映スケジュールは、シネマヴェーラ渋谷HP参照。
シネマヴェーラ渋谷HP http://cinemavera.com/

天野 俊哉




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