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Vol.395 造形美の今昔
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先日、銀座の博品館TOY PARKの前を通ったら人だかりができていたので覗いてみると、最新のウルトラ戦士ウルトラマンサーガと地球防衛隊姿のMCのおねえさんがイベントの案内をしていました。チビッ子たちはサーガに、若いお父さんたちはおねえさんに目が釘付けといった感じでした。おねえさんが「ウルトラマンサーガさんは、どうやって誕生したんですかぁ?」とサーガに質問すると、サーガはおねえさんの耳元に手を当てて内緒話のように答え、おねえさんが「ふんふん、なるほどぉ!ウルトラマンゼロ、ダイナ、コスモスの三人の心が一つになって、誕生したんですねぇ!」と答えると、サーガはうんうんと頷いていました。こう言ったら悪いんですが、二人とも白々しくてかなり笑えました。
それにしても、しばらく見ないうちにウルトラマンのデザインはすごいことになっているんですね。キャッチフレーズは「誰も見たことのないウルトラマン」。というか、もはやウルトラマンに見えないんですが。自分には約50年前にデザインされた初代ウルトラマンの方が断然カッコ良く見えます。初代ウルトラマンは、彫刻家の成田亨と前衛画家の高山良策によって1966年(昭和41年)に生み出されました。マスクは“現代の神仏”をイメージして広隆寺の弥勒菩薩やギリシャ彫刻に見られるアルカイック・スマイル(古代の微笑み)をたたえた表情に作られ、身体はイタリアの巨匠ペリクレ・ファッチーニの彫刻「ダイナミックな動きの表現」を参考にして作られたと言われており、まさに芸術作品です。
「新しいデザインは必ず単純な形をしている」という成田氏の信念の下に生み出された初代ウルトラマンには、0系新幹線やスバル360などとも通ずる昭和のデザインならではの、シンプルで温かみのある造形美を感じます。ただ、カッコ良さは時代ごとに変わるので、新幹線にしてもウルトラマンにしても、現代のチビッ子たちには最新デザインの方がカッコ良く見えるのかもしれません。時代と共にウルトラマンがどのような造形美を見せてくれるのか、これからも楽しみです。
Y's取材班
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