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Vol.372 生誕100年ジョン・ガーフィールド〜歌わされたハードボイルド俳優
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新宿・紀伊国屋書店1FのDVDショップに行くと、1940年代にハリウッドでブームだったフィルム・ノワール映画がたくさん並んでいて人気が高いとのこと。観終わって「楽しかった!!」と思えるジャンルではないのですが、魅力のあるスターが出演していると、ついつい観てしまいます。女優だとバーバラ・スタンウィックや、ジョーン・ベネット、男優だと今年3月4日に生誕100年を迎えるクールなジョン・ガーフィールド(以下JG)です。
若いころ共産党員として活動していたことから戦後ハリウッドの赤狩り事件に巻き込まれ、1951年に39歳で亡くなった不幸な人です。スクリーンで見せたハードボイルドな役柄と不幸なキャリアがシンクロしてアメリカでは今なお人気が高いのですが、日本では公開された作品が少なく、あまり知られていません。ただ、ここ20年くらいの間にビデオやDVDで「郵便配達は二度ベルを鳴らす」「ボディ・アンド・ソウル」「紳士協定」が発売され、少し有名になってきました。
私は学生時代テレビで観た「They Made Me a Criminal」という非行少年を描いたドラマで初めてJGを知りました。ジェームズ・ディーンや赤木圭一郎のようなムードの役者だなと感じたものです。さて、JGはワーナー・ブラザーズ映画の専属俳優だったことから不幸にも二本のミュージカルに出演させられています。
そのひとつ1943年の「Thank Your Lucky Stars」では、ジョニー・マーサー作曲の名曲“Blues in the Night”を歌うことに。歌はもちろんヘタなのですが、セリフが多いので音程のズレは気になりません。ふだん映画の中ではニコリともしないJGが、マイク・スタンドを掴んでのオーバー・アクション。あのクールな人がここまでやるのかとびっくり。見るたびに大笑いしてしまう迷ナンバーです。以来、“Blues in the Night”のメロディーを聞くとJGの顔が浮かんで来るようになりました。
天野 俊哉
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