TAP DANCE LOGO
INSTRUCTORS
STUDIO : 戸塚スタジオ
NETWORK
SCHEDULE
EVENTS
COLUMNS
DANCE TEAMS
LINKS
OUR MASTER : 佐々木 隆子
COLUMNS

Vol.365 「芸バカ列伝」という本
 「お笑い芸人」と呼ばれるほどの芸を持たない芸人ばかりの昨今。神保町の古本屋で本物の「芸人」について書かれた本を見つけました。「芸バカ列伝」(旺文社文庫、1985年発行、山下勝利著)という本で、タップダンスの中野ブラザーズ氏をはじめ、昭和に活躍した25名を取り上げています。
 インタビューをしてまとめるというスタイルの本は、そのインタビュー兼ライターの力量によって面白くもつまらなくもなるのですが、当時、朝日新聞の社員だった山下勝利氏のこの本は成功しています。芸人さん達が身を乗り出してしゃべっている様子が、目に浮かぶようです。
               *     *     *
 25名といっても、私がテレビでリアルタイムで接してきた方は数名で、知らない人も多いのですが、購入のきっかけとなったのが「バンドマスターのスマイリー小原」氏と、「べしゃりマイムの早野凡平」氏。もうお二人とも故人ですが、大好きでした。スマイリー小原氏が渋い声でカウントをかけると、バンドミュージックがスタート。指揮をしながらツイスト、そして最後には踊り出してしまう。その姿はいつもスマートでしたが、今回この本でとても昔堅気でガンコな方だったことを知りました。
                           *     *     *
 さて、もう一人の早野凡平氏を、私は「べしゃりマイム」ではなく、トレードマークだった「ボウシの凡平ちゃん」と呼んでいました。早野氏がどのような人生を送られてきたのかを書いた本を読むのはこれが初めてで、その言葉のひとつひとつに、芸やネタに対するこだわりが強く込められています。すばらしい芸人さんだったけれど、「歌も踊りもダメ」だったのは驚き。早野氏のページは楽しくて何度も読み返してしまいました。
 早野氏の十八番である「ホンジャマ帽子」の名前は、「ホンジャマカ」に変身して、あるお笑いコンビに受け継がれています。私はあまり記憶していませんが、「ボウシ芸」のあと人気を呼んだのが何と「ロープ芸」。こちらは「ロープウエイ」に変身して、息子さんの趣味として受け継がれたようです。
 スマイリー小原氏、早野凡平氏の映像はYOU TUBEで観ることができるので、興味のある方は一度ご覧になってください。

天野 俊哉




Copyright 2005 Y's Tap Dance Party. All rights reserved.