|
|
| | |
|
|
|
|
| | |
|
Vol.362 気になるDVD「虹の女王」(1949)
|
|
1920年代「SALLY」などの大ヒット・ミュージカルでブロードウエイの大スターだったマリリン・ミラーの伝記映画。と言っても軽く作られているので、普通のミュージカル映画として楽しめます。
主演のジューン・ヘイバーは決して大スターではありませんが、歌は全部自分の声ですし、バレエからタップまでこなすダンス・テクニックは見事でM.ミラー役にはぴったりです。特に少女時代から有名になっていくあたりの演技が自然で良いです。相手役のゴードン・マクレーは歌のパートナーとして登場します。出演場面は多くないのですが、美しい歌声で好印象を残します。
さて、最大の見ものはM.ミラーの親友役、タップダンサーのレイ・ボルジャーの踊りです。当時ブロードウエイ・ミュージカルの大スターだったR.ボルジャーは映画ではあまり踊らない人だったのですが、ここでは全篇にわたってバランス良く登場してたっぷり踊ってくれます。R.ボルジャーのタップはオーソドックスなBuck & Wingのスタイルですし、見た感じ奇妙な顔をしているので、人によっては好き嫌いがあるかも知れません。
劇中劇としてたっぷり扱われている「SUNNY」が圧巻で、ここの演出(ルロイ・プリンツ)は客席からの目線を大切にしているので、ブロードウエイの舞台を観ているようです。“SUNNY”でのJ.ヘイバーと、劇場裏方さんたちの踊りからR.ボルジャーが上手からフェードインして“Who?”を歌い出すスマートさ。演出とR.ボルジャーのタップ・テクニックを十二分に生かした振付で、“Who?”は最高に輝いています。
大学生の時、初めて「虹の女王」を観た私はR.ボルジャーの“Who?”が大好きになりました。どれだけ好きなのかを手紙に書いてビバリー・ヒルズに住むR.ボルジャー本人に送ったところ、何とサイン入り写真が2枚も送られてきました。サインと共に「タップダンサー仲間より」という言葉が書かれてありました。R.ボルジャーは少しして「ザッツ・ダンシング」にMC役で出演し、フレッド・アステアとジーン・ケリーについて語っています。そして1987年1月、83歳で亡くなりました。
「虹の女王」は3月25日ジュネス企画より発売されます。¥5,040は高いですが、日本語字幕入りでの発売は初めてなので無視できません。お金ためなきゃ。
天野 俊哉
|
|
|
|
|
|
| | |
|
|
|