TAP DANCE LOGO
INSTRUCTORS
STUDIO : 戸塚スタジオ
NETWORK
SCHEDULE
EVENTS
COLUMNS
DANCE TEAMS
LINKS
OUR MASTER : 佐々木 隆子
COLUMNS

Vol.356 タップの舞台「Studio GAMBA Presents ING〜続けていくこと〜」
 日本のタップダンス界において独創的でオリジナリティあふれる振付作品を発表し続けている、橋本祥さんのスタジオガンバ公演を観に町屋まで行きました。「町屋まで」と言っても、千代田線沿線の亀有出身の私にとって町屋は3つ隣、ホームグランドみたいなものです。
 会場に到着すると、かつて「Sachi’s TDT」のメンバーだった皆さんがスタッフとして迎えてくれました。「あっ、今回は裏方さんだな」とちょっぴり残念に思ったものの、プログラムを開くと金子純子さんと下川原嘉都江さんの名前がありホッとしました。橋本さんの大切な舞台にいろいろな形で仲間が再集合するのはとても素敵なことだと思いました。
               *     *     *     *
 加藤忠君振付によるガッツリしたオープニングで観客を引き込む。橋本さんをはじめ、先生方の振付がどれも成功して良く仕上がっていました。子どもから大人まで実に良く訓練されていて、何かスタジオと言うよりも一つの劇団の舞台を観ているようでもありました。例えばいつもはストイックな加藤君の振付も、ガンバではとてもおしゃれなミュージカルナンバー(“Blue Skies”)に変身。とは言え男女のグラスの乾杯の音でフェード・アウトするあたりは、いつもの加藤さんっぽくストイック?振付作品のひとつひとつに起承転結があり、最後のポーズの付け方にも芝居心が感じられました。どの踊りもこちらが入りやすいものが多かったです。照明に関しても隅々まで気持ちが行き届いていて、ほっとすると同時に羨ましくも思えました。
 衣裳は「ブロードウェイ・ミュージカル!!」みたいなコテコテさがない分、日本人の体型にとても合っていて、「Top Hat」ではノースリーブの白いレオタード地の上着に黒のタイのデザインがゴージャス感を出していたし、「不思議の国の」のダイヤのデザインもその使い方がしゃれていました。「The Turtle Walk」のゴールドのサテンの膝丈パンツも振りに良くマッチしていました。また今回一番好きな作品「One More Time Around Rosie」のオールド・ファッション・スタイルはもう、グレゴリー・ハインズの「Jerry’s Last Jam」の世界でした。ひとりひとり衣裳にこだわっていましたね。
               *     *     *     *
 ダンスの公演であるのに途中から全く流れが読めず、面白い展開になりました。前半と後半に2回芝居(酒田速人脚色・演出)が挿入されましたが、メッセージ性の籠ったとてもしっかりした芝居で感動的なものでした。ダンスの舞台とは言え「本当にダンスが好き」なお客様ばかりではないのだから、今回のように「タップ」や「ダンス」とはかけ離れた内容で良かったのかも知れません。しかも時間も決して長くなく無理強いもしない。そして演じている方たちがとても自然なので、ぐいぐい引き込まれてしまいました。さすが、橋本さん、目の付けどころが違うと思いました。
               *     *     *     *
 橋本さんは自身のソロ“Jealous Guy”で、言葉と静かな曲(ピアノとウッドベース)とタップで公演のテーマを語りました。「続けてほしい」というメッセージはとてもわかりやすかったのですが、橋本さんにはまだまだひと暴れ、ふた暴れしてタップ界に新しい風を吹きこんでほしいと思いました。
 今回の公演で大きく成長された橋本祥さんとキャストの皆さんがナショナル・タップ・デー2013で更に大活躍されることを願うばかりです。お疲れ様でした。

 町屋に行くということで開演前に立ち寄ったのが、インドカレー店「ムンバイ」。今年3月のナショナル・タップ・デーの合同リハーサルの打ち上げ会場となったお店です。とても美味しいですよ。

天野 俊哉




Copyright 2005 Y's Tap Dance Party. All rights reserved.