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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.346 ビッグバンド・ジャズのコンサートに行ってきました
 アメリカほどではありませんが、日本でも細々とビッグバンド活動をしている若いプレーヤーの方たちがたくさんいます。今回は小島文雄さんではなく、天野から「角田健一ビッグバンド・コンサート」のご報告をさせていただきます。
 コンサートは11月11日(日)、上智大学近くの紀尾井ホールで行われました。1990年に結成された同バンドのリーダー角田氏は、グレン・ミラーのように優れたアレンジャーでもあり、有名なスタンダード曲もオリジナルを生かしつつ、モダンな変化球をジャズ・ファン達に投げて来るアイデアマンでもあります。1990年代、ビッグバンド・フェスティバルというバンドバトルにおいても、ベテラン・バンドに全く引けをとらない人気と実力を見せておりました。
 800名入るという会場はほぼ満席。2階客席の一部に30名ほどの子どもたちが座っていました。会場は本来クラシック向けですが、マイクを使わずほぼ生の音で演奏するとの説明が初めの方でありました。全18曲のプログラムの中では“Four Brothers”“I’ve Heard That Song Before”“Don’t be that way”“Somebody Loves Me”“Take The A Train”の5曲がY’sのステージで良く使われるので、生徒の皆さまにもお聴かせしたかったですね。
 さて、角田氏のアレンジとバンド・メンバーが最も輝くのが、どちらかというとモダン・ジャズの作品で、チック・コリアの“Spain”と、角田氏の作曲による“Jumping Big”がスリリング、ソロイストも皆、見事でした。
 また、ラテン・ナンバーでは、スタン・ケントン楽団の“Peanuts Vender”と、ペレス・プラード楽団の“Mambo Jambo”の2曲が登場し、ボンゴという楽器が大活躍しました。とてもショーアップしたナンバーで、それまで静かに鑑賞していた子どもたちが急にハイになって、バンマスと同じリズムで手拍子を始めたのにはびっくり。彼らは学校の授業かクラブ活動でジャズを習っているのかも知れません。
 会場の設備のせいか、アルトサックスやバリトンサックスなど木管楽器のソロがよく響いていたため、“Sophisticated Lady”など、いつもならちょっと退屈してしまう曲も逆に体を乗り出してうっとり聴き入ってしまいました。この会場を選んだ理由は、実はこのあたりにありそうですね。
 第一部8曲50分、休憩20分、第二部アンコールを入れて10曲70分という観客にやさしい時間配分でした。皆さまも一度、生のビッグバンド・ジャズのコンサートに足を運んでみませんか?

天野 俊哉




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