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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.340 サイレント映画上映のこと<チャールズ・チャップリン>
 「アーティスト」が世界で大ヒットして、白黒サイレント映画に再び(前回は1970年代)目が向けられたのはとても嬉しいことです。
 喜劇王チャールズ・チャップリンの初期の短篇映画作品をまとめて上映するという企画が、渋谷と銀座の映画館で行われました。これは多分DVD発売の一環としての上映だと思いますが、デジタル・リマスター版のきれいな映像を大きなスクリーンで観ることは良いことです。しかも渋谷では、音楽のみのオリジナル音声、銀座では有名な声優さんや弁士の方の声が入った発声版。さらに96年ぶりに発見されたという1914年の作品「The Thief Catcher」の初公開など、話題がいっぱいです。
 とは言え、今回の企画に関して気になる部分がいくつかありまして。

日本のチャップリン・ファンは泣きたいのに・・・
 同時代のコメディ作家と比べてもケタちがいに面白い短篇ですが、チャップリン最大の魅力であるペーソスが出せずに終わってしまうのです。「街の灯」「モダン・タイムス」に見られる、思い切り笑った後ホロリとするシーンが無いので、「感動したい」のに「感動できずに」THE END。

あまり親切でないキャラクター
 「目の見えない花売り娘のために自分を投げ打って」そんなやさしいチャップリンにはほとんど会えません。キートンのようにボーッとしていたり、というのならまだ感情移入できるのですが、かなり意地悪キャラでスクリーンをかけまわってTHE END。

声優さんのセリフは必要か?
 言葉がなくても伝わるのがサイレント映画なのに、出演者みんながしゃべるのはちょっとうるさすぎました。DVDなら音声を切り替えて消音にするのになあ、と思って観ていました。

 同じ時期、サイレントSF映画メリエスの「月世界旅行」も渋谷で上映されていたのですが、こちらはなんと「カラー版」。現在の興業界は、「セールスしづらいから」という理由で、本来の姿に何かを加えないといけないのでしょうか?素朴な画面だから魅力的であるのに、ちょっぴり残念に思いました。

天野 俊哉




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