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Vol.330 MGM青春ミュージカルで活躍 〜アン・ラザフォード追悼
 6月13日の新聞に「スカーレットの妹亡くなる」の記事が。以前、アメリカの映画女優イヴリン・キースが亡くなった時も同じ見出しだったので、「今度は誰だろう?」と思って出てきた名前がアン・ラザフォード。
 MGMの青春ミュージカルでミッキー・ルーニーやジュディ・ガーランドと共に活躍した女優さんで、目が大きく、どこにいても目立つ人でした。ただ大人の女優としては成功できなかったようで、現在、日本でもDVD発売されている「オーケストラの妻たち」(1942)では、本当にひどい役をダラダラやらされています。
 代表作では何と言ってもミッキー・ルーニー主演の「アンディ・ハーディ」シリーズのポリー役。このシリーズはアメリカではポピュラーな存在なので、10本以上もレギュラー出演できたことは、とても誇れることだったのではないでしょうか。
 さて、アメリカ映画史上最大の名作である「風と共に去りぬ」(1939)に出演したことを最大限に利用したのが、もう一人の妹役だったイヴリン・キース。彼女が生前出版した二つの自叙伝のタイトルが「スカーレットの妹」と「決断は明日にしよう」。いずれも「風」絡みでした。アン・ラザフォードは「風」に頼らず、青春映画の元スターみたいな位置づけを大切に生きたそうです。「スカーレットの妹」なんて見出しに迷惑しているのでは?ご冥福をお祈りします。

P.S.「風と共に去りぬ」出演者では、メラニー役を演じたオリヴィア・デ・ハヴィランド(東京生まれのオスカー女優)が健在です。

天野 俊哉




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