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Vol.317 タップな話題C ハンドクラップ発表会 5/4
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今年いっぱいで閉館になる吉祥寺・前進座で、藤崎光代さんと松本晋一さんの強力タッグによるハンド・クラップ公演が毎年行われていた時期がありました。現在も発表会の上演を続けていますが、まったく色褪せていません。
藤崎さんの振付はとてもレベルが高く、ショーアップした振付をされることから、「こういう人が宝塚の振付をしてくれたら、宝塚のショー(ダンス)がもっと面白くなるのに」と以前から思っておりましたが、今回も圧倒されました。帽子を使ったミュージカル・ナンバー、尺八(?)の音が入った和物、パーカッション、“Sing Sing Sing”、そしてゾクッとする“Mr. Monotony”など、鍛えられたダンサーを使って見事に見せつけてくれました。そしてハンド・クラップの舞台でいつもびっくりするのが、女性ダンサーのスカートのラインの美しさで、回った時のシルエットが最高です。もちろんターンの技術がすごいから、そう見えるのでしょう。
さて、ハンド・クラップ名物が、松本さんの<昭和歌謡大レヴューシーン>です。近年、太川陽介の「Lui Lui」、郷ひろみの「よろしく哀愁」など、1970年代後半の曲が続いていましたので、今年は何が飛び出すかワクワク、ドキドキ。このシリーズのすごい所は「そんな曲知らない」観客がほとんどであるはずなのに、その人たちを巻き込んで楽しませてしまう演出力です。
そしてお待ちかね、今年の選曲は、沢田研二の「ダーリング」!! とても懐かしい曲です。おまけに設定が葬儀場。「朝が来て!夜が来て!春が来て!夏が来て!秋が来て!冬が来て!」の部分の振付が、あまりに歌詞にぴったりだったので、笑いすぎて涙が止まりませんでした。曲にあわせ効果音で、軽快なテンポの木魚の音(お坊さんがお経を読まれる時ポンポン叩くあれです)が入るあたりの演出の細かさに感心。最後は、松本さんが宙づりになっての大熱演でした。親族姿で黒ブチの眼鏡に喪服を着て、ただただじっと着席している穴田さんの、「何もしない演技」にも笑いました。
今年は東京リズムボーイズ、加藤忠君、そしてTRBタップダンススタジオの皆さんが出演したので、タップ色が強くなりました。加藤忠君は、板を持ちこんでのソロで、さすがに音にこだわる人だなと感心しました。たった1曲の出演でしたが、今でも心地よいリズムが耳に残っています。TRBタップダンス・スタジオの皆さんは22名で、松本さんの名作のひとつ“Get Happy”で出演。タップの振付をとても良くこなせていたと思います。また、松本さんと歴史好きの少年という、微笑ましいタップ・デュオがあり、二人のTALKのやりとりがタップと同じくらい息があっていました。
東京リズムボーイズは“The Party's Over”で、もう名人レベルのコンビネーションでした。終盤、曲のブレイク部分での振りが、イキで好きです。パフォーマーとしてのみ出演した穴田さんの、リラックスしたタップを久々に観られたのも収穫でした。彼らは今年結成20年にあたり、11月17日(土)の公演で「踊りまくる」そうです。もう、東京リズムボーイズの二人から目が離せませんね。
天野 俊哉
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