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Vol.263 M氏、骨董市に現る
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その電話は、発表会「ON STAGE 2011」翌日の日曜日、朝9時過ぎに掛かってきました。目は覚めていたものの、前日の疲れもあってボーッとしていたのですが、携帯電話が鳴った瞬間、あの方の顔が思い浮かびました。表示を見ると、案の定、それは松本晋一先生からのお電話でした。「淺野さんですか?」と、朝から元気な声でした。既に戸塚骨董市にいらしているとのことで、着の身着のままスッピン状態で駆け付けました。あいさつすると、気のせいでしょうか、松本さんの目が何だかキラキラしているように感じました。もうすぐ2歳になる甥が、最近は携帯電話やカメラなどの機械モノにとても興味があって、それらを見ると俄然目を輝かせるのですが、それと同じキラキラ感でした。
会場は時間が早いこともあってか、出店の準備も客足も“これから”という感じでした。しばらくしてY's取材班が到着。松本さんに会えて余程うれしかったのか、両手で握手をしていましたが、ジェントルな松本さんは嫌な顔ひとつせず応じられていました。
松本さんは私と合流する前にざっと一周されていたようなのですが、前々回ロープウェイの絵はがきを買ったお店に案内しました。お店に入るやいなや絵はがきコーナーにしゃがみ込まれました。何気なく様子を観察させてもらうと・・・、は、速い!カメラをスポーツモードにしても撮れない程の猛スピードで絵はがきをさばいて行きます。その様子を見ていた店主さんの表情が、「この客人、できる」といった感じでキリッと引き締まりました(ような気がしました)。松本さんが絵はがきコーナーから雑誌コーナーに移動しても、店主さんは松本さんの手元から一秒たりとも視線を逸らしませんでした(ような気がしました)。残念ながら、絵はがきも雑誌もめぼしいものはないようでした。私は可愛い首振り人形を見つけました。「二人とも笑顔キープでもう少し寄ってください。そうそう」などと、カメラマン気取りの取材班の要求にも、ジェントルな松本さんは嫌な顔ひとつせず応じられていました。
次に立ち寄ったお店では、店主さんが「ブルーシートの上はどれでも1個500円、2個1,000円。3個でも1,000円ですよ〜」と呼び込みをしていました。シート上にも「1個500円、3個で1,000円」と大きく表示されています。松本さんはウサギの人形とテレビカメラのミニチュアの2点を選んでミッキー吉野風の店主さんにお金を払いに行きました。「無理に3個選ばないなんて、潔いなぁ」と感心していたら、店主さんに「2個でいいんですか?3個でも同じ1,000円ですよ?」と確認されて「あっ、そうなんですか?」と答えられたので思わずコケそうになりました。結局「テープミニ百科」と表されたカセットテープのガイドブックのような小冊子をもう一つ選んで購入されていました。
次のお店ではバヤリースのロゴが入った1個200円のグラスを4個購入されていました。「おぉっ!逆三角形」などとつぶやきながら、取材班は松本さんを背後から撮っていました。
他にも何店か覗きましたが、残念ながら今回はロープウェイ関連のものは見つかりませんでした。まだお時間がありそうでしたので、お茶をすることにしました。「お待たせいたしました」と、ウェイター気取りでアイスコーヒーを運んで来た取材班が「触ってもイイですか?」と、松本さんの二の腕や胸板や腹筋を触り始めました。ジェントルな松本さんは嫌な顔ひとつせず、というより、少しはにかみながら応じてられていました。「あっ、硬い。いや、ただ硬いだけじゃなくて、しなやかですね」との取材班の感想に松本さんも満更でもなさそうでしたが、「でしょう!」などと自慢気な顔をされないところが松本さんの素敵なところです。その後はロープウェイの魅力などを聞かせて頂きました。さすが、世界ロープウェイ推奨委員会会長のお話には説得力がありました。その他にもブリキのおもちゃについてもお話を聞かせて頂きました。取材班とは共通の話題のようでしたが、私にはよく分かりませんでした。
さて、そろそろ時間が迫られたようでしたので駅に向かいました。「この幟の前で『さあ来たぞ。今から見るぞ』って感じでお願いします」と、取材班のわざとくさい要求にも、ジェントルな松本さんは嫌な顔ひとつせず応じられていました。そういう訳で一番上の写真は帰り際に撮ったものです。
コインロッカーから出された大きな袋の中に、とてもきれいな淡いブルーのTシャツがたくさん入っていました。お訊きすると、発表会に向けて生徒さんの衣裳を探されたのですが、気に入る色がなかったり、あっても枚数が足りなかったりで、結局白Tシャツをご自身で染められたそうです。松本さんの、生徒さんに対する愛情や作品に対するこだわりを感じました。その大きな袋と松本さん手作りのサラダ&焼肉ランチが入ったトートバッグ、そして骨董市での買い物と、大荷物で戸塚の街を後にされました。久しぶりにお会いできてうれしかったです。ありがとうございました。次回の骨董市は9月25日(日)です。
※ 骨董市での撮影は各店主さんの了承を得ています。
淺野 康子
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