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Vol.254 「東京リズム劇場」のおもいで4 2008年版（東京8/8～10、浜松8/15）
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前回は真冬、この回は真夏。公演は素晴らしかったのですが、とにかく汗との戦いでした。一冊の本ができるほど楽しいエピソードの多い公演でした。
「オープニング～ハードなハワイアン」
“Sing Sing Sing”を思わせるドラムのリズムで始まるハワイアン。前回バレエで苦労した私は、この回では腰を振るフラで再びパニックに。振付の時に「ここはベティ・グレイブルみたいに色っぽく」と松本先生。私以外の全員が固まっていました。ラストでは、フラダンスで使う木の道具を両手に持って叩きながらタイムステップを踏みました。すてきな衣裳なので、女性が全員すごい美人に見えました（いつもより更に美人、という意味です、あしからず）。
「オープニング～ソフトなハワイアン」
オープニングの全員が暗転でフェイドアウト。ステージ上に残ったみすみ先生、柿﨑隆江先生、そして橋爪の3人が軽く踊ります。2コーラスめから穴田先生、私、そして松本先生が加わって甘いデュエットになるという、「TRT」としては珍しく色気のあるシーンでした。このナンバーは稽古の終盤に加わったのですが、松本先生が振付の直前、男性5人に「歌とタップとどっちか選んでください」との話がありました。
歌と言っても例の「ハニ・ハニ・ブー・ブー」といかいう訳のわからない歌詞。「もちろんタップ」と思い切り手を上げたのが私と穴田先生。自然と歌になったのが押田、加藤君、森田君の3人。「そうだ、ウクレレも演奏して」と、松本先生。私は「歌を選ばなくて良かった」と内心胸をなでおろしたのですが、歌の3人は涼しい顔。すぐに譜面を広げて3人でああだ、こうだと分析を始めました。押田はウクレレを持ったのがこの日初めてだったそうですが、翌週にはウクレレを弾きながら歌っていました。皮肉なことに多くのお客様がウクレレは弾くふり、歌も口パクだと思ったそうです。それだけ自然にやってのけたということでしょうか。
「タップ名作劇場～マッチ売りの少女／ピノキオ」
この回のストーリーテラーは母親役の悠木雅子さんと小さな2人の子どもたち。関島邦江さんが男の子で淺野が女の子でした（実は母親が一番若い!!）。マッチ売りの少女は冨田先生、ピノキオは加藤君でした。私、押田、橋爪3人はそろってピノキオに出演し、それぞれ、ゼペットじいさん、ピノキオをだますネコ（真夏に着ぐるみ！）、ピノキオと一緒に踊るショーガールを演じました。本番では笑えるトラブルが続出でした。
「AT THE STUDIO」
タップ教室に初めてやってきた薄井由美子さんの1日を追ったコント。解説者に押田、タップの先生に穴田先生がキャスティングされ、他はほとんどが生徒役となりました。この場面での出番が無い私は、稽古を毎回気楽にゲラゲラ笑いながら見ていました。そんなある日、穴田先生がわざわざ私の家まできたのでびっくり。「実は役が変わりまして・・・」と、私に「AT THE STUDIO」の台本を渡すのです。ほぼ出来上がっている作品の中にこれから加わる恐怖と、あんなにタップのうまい集団の前でタップを指導しなければならない（先生の役ですから）恐怖でパニックになりました。公演の初日は、私と薄井さんの芝居のペースが早すぎて失敗。2回目からはお客さまに笑っていただきました。
「土曜サスペンス劇場～恐怖のタイムステップ」
私（天宮先生）のスタジオで殺人が起こるドラマ。舞台もキャストも先の「AT THE STUDIO」と同じで、続きものという設定、そのアイデアに感心しました。殺人事件の捜査に乗り出すのが、冨岡警部こと冨田先生と、早川刑事こと穴田先生のお二人。黒いスーツに白い手袋が本当にカッコよかったです。
スタジオあげての浜松への公演旅行、浜名湖での観光とストーリーが展開していく中に、ロープウエイが出てきたり、ウナギが出てきて犯人のヒントを与えたり、映像があったり、早川刑事と少女（橋本先生の名演技）のおかしなやりとりがあったり、盛りだくさんで見事な作品でした。初めて通した時、28分もあり全員がびっくり。さらに驚いたのはここには一曲もミュージカル・ナンバーが無かったことです。翌週、冨岡警部がステージに登場するシーンに、短いダンスナンバーが加わったことは言うまでもありません。
「フィナーレ～ロシュフォールの恋人」
ダービーハットにゴールドの素敵なジャケット、そして曲はフレンチ・ミュージカルの名曲。前半は大人っぽいソフト・シュー、後半はダイナミックなショーナンバーとなりました。このナンバーは2009年の「NATIONAL TAP DAY」でも踊らせていただきました。
この公演はY's作品としては押田振付の“Our Man in Rio”を押田、淺野、橋爪のトリオで、天野振付の“The Glove”を天野、淺野で踊りました。
※ケイサイの写真はすべて制作・演出サイドの許可をいただいております。
もっともっと、つづく
天野 俊哉
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