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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.241 生誕100年 その4 ルシル・ボール(1911−1989)
 先のポーレット・ゴダードとともに、ゴールドウィン・ガールズの一員としてスタートしたルシル・ボールは、8月6日に生誕100年を迎えます。
 ポーレットやジンジャー・ロジャースと違って、ルーシーには映画界での代表作と呼べるものがありません。強いて上げるとすれば、ヘンリー・フォンダと共演した「The Big Street」(1941)がドラマティックな演技を見せた作品として印象に残っています。
 1940年代前半「Best Foot Forward」「Meet the People」「デュバリーは貴婦人」「Easy to Wed」などのミュージカル映画に主演しましたが、きれいなだけで歌も踊りもダメな彼女は、何か観ていて気の毒でした。どの映画も「そう言えば出演していたね」程度でした。彼女の利口なところは、美人女優としてよりもお笑いに向いている自分の才能と、映画界の将来(やがてテレビの時代が来る)を早いうちに見抜いていたことです。
 1950年テレビ界に進出してプロデューサーを兼ねた「アイ・ラブ・ルーシー」というコメディ・シリーズをスタートさせ、全世界で大ヒット番組になりました。その後、テレビ界最大のスターとして20年近く君臨することになります。映画スター時代、絶対共演することの出来なかったハリウッドの大スターたち、ウイリアム・ホールデンや、ジョン・ウエインらが次々ゲスト出演したことでも、彼女のテレビ界での地位の凄さがわかりますね。
 私は物心ついたあたりからテレビの「ルーシー・ショー」で育ってきたのですが、当時、日本のテレビではルーシーの声を故高橋和枝さん(「サザエさん」のカツオ、快獣ブースカなど)が吹き替えていたため、いまだに実際のルーシーの声に馴染めずにいます。よって、現在DVDで「ルーシー・ショー」を観る時なども、かならず音声は日本語吹き替え版を選択してしまいます。

天野 俊哉

写真 上から
「Easy to Wed」
MGMミュージカル時代
人気テレビ・シリーズ
「アイ・ラブ・ルーシー」
「アイ・ラブ・ルーシー」





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