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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.238 骨董市に行ってきました
 戸塚駅からスタジオに向かってサクラスデッキを渡ると、骨董市のポスターが目に留まりました。 “珍品名品・お宝、ザックザク!いい品いっぱい骨董市!”と、骨董ファンにはグッとくるような宣伝文句が謳われています。 出店条件には「古物商認可証のある方に限ります」と書いてあり、いわゆるフリーマーケットの類ではなく、れっきとした骨董市のようです。また、骨董に興味がない人でも、お笑い芸人のイベントで楽しめる企画になっています。 ここまで書いておきながらすみません、正直言って骨董もお笑いも興味がないのですが、骨董市なんて滅多に行く機会がないので、冷やかし半分で覗いてみることにしました。
 開催会場階でエレベーターを降りると駐車場1フロア全面が出店スペースになっていて、出店数の多さにビックリ!お客さんも思っていたよりたくさん入っていました。骨董ファンの方って、けっこういるんですね。
 イベントコーナーでは、20人くらいのお客さんの前で、お笑い芸人さんが熱演していました。ふと、昔、千葉のデパートの売り場で踊ったことを思い出しました。
 会場の屋内駐車場は吹き抜けになっているので空気の通りは悪くないと思うんですが、それでも埃とカビの臭いが入り混じったような空気が会場全体になんとなく漂っていました。もしかしたら“骨董市の空気感”なのかもしれませんが、ニオイに敏感な人はちょっとダメかもしれません。
 食器や着物などの日用品や、なんとか鑑定団に出てきそうな焼き物、掛け軸、甲冑、ホーロー看板、ブリキのおもちゃ、企業キャラクターグッヅなどなど、ありとあらゆるガラク、じゃないですね、骨董品が所狭しと並んでいます。ちなみにロープウェイグッヅやプラレールは見当たりませんでした。
 出店主のみなさんは、呼び込みの声をかけるでもなく、椅子に座って本を読んでいたり、店主同士で話が盛り上がっていたり、熟睡していたり、“欲しければどうぞ”的なのんびりした雰囲気でした。 撮影禁止ではないようでしたが一応断って、見た中で一番立派だった甲冑の写真を撮ろうとしたら、青いベレー帽を被った店主さんは私のことを歴女だと思ったのでしょうか、「この甲冑はねぇ、○×時代のもので、□△の国の・・・」と説明を始めてくれました。ひととおり説明が終わると「安くするよぉ」と言ってくれました。いくら安くしてくれるつもりだったのかな。値札には「280万円」と書いてありました。
 一巡したのですが、もともと興味がないから当たり前なのかもしれません、「やっぱり(欲しいものは)ないなぁ」と思いながら帰ろうとしていたら、仙人のようなヒゲをたくわえた人が話しかけてきました。「本気で欲しいって思わないと、話しかけてくれないよ」。まるで気持ちを見透かされたかのようなタイミングだったので、ちょっとビックリしました。本当に骨董品が話しかけてくれるかどうかはともかく、でも言っていることはなんとなく分かるような気がしました。 考えてみれば、物事に対しても人に対しても同じかもしれません。自分から心を開いて接しないと、進まないことってありますね。
 ふと気がつくと、仙人のような人の姿は忽然と消えていました。だと、話ができ過ぎていますよね。消えずにそこにいたので“普通の人”だったようです。
 お宝とは出会えませんでしたが、これだけ大規模な骨董市なんて滅多に見る機会はないだろうし、満足な気持ちで下りのエレベーターに乗りました。中に貼ってある骨董市のポスターをよく見ると、「毎月第4日曜日開催」って書いてありました。

淺野 康子






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