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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.236 Y's公演を終えて
<GW公演>
 興業の世界には「ニッパチ(2月と8月)は客が入らない」という言葉がありますが、同じようにゴールデン・ウィークも難しいと言われています。今回の公演はおかげさまで前売り券は完売しましたが、発売前はかなり心配したものです。
 今から20年前の5月4日にも公演を企画したことがありました。その時も師匠が「皆さん観に来てくれるかしら」とずっと心配していました。残念ながらその公演は、師匠の病気でチケット発売前に中止になってしまいましたが。淺野の楽屋の鏡前に飾ってあった師匠の写真を見て、そんなことを思い出しました。
<How About You?>
 押田と淺野のラブラブ・デュエット“How About You?” 楽しんでいただけましたか。二人が着た衣裳は、かつて映画の中でボブ・フォッシとデビー・レイノルズが着たものを参考にしました。淺野のドレスは今回のために作ったものですが、押田の黄色いセーターは、松本晋一先生が舞台で着たものをお借りしました。とてもフレッシュでしたね。
 1942年に書かれた“How About You?”という曲の歌詞には「フランクリン・D・ルーズベルトの顔は私をゾクゾクさせる」という、当時のアメリカ合衆国大統領の名前が出て来るのですが、2011年の今、それではちょっと古いということで、淺野は別の人の名前で歌っていました。
 「セヴィアン・グローバーのタップは私をゾクゾクさせる」だったのですが、皆さん、気づかれましたか?
<まみ散歩>
 今回、出演者にとってのサプライズは何と言っても「まみ散歩」の撮影でした。撮影は2月の寒い日に行ったのですが、その前日、橋爪は大きなトランクを持って私の教室までやってきました。どうやら、衣裳を選んでほしいらしい。
 プライベートで黒の洋服が多いせいか、どれを着ても同じに見えてしまう。「他の色はないの?」と私。トランクの底から出てきたのが、皆さんがご覧になったあの白の上下です。なかなかファッショナブルに見えたと思います。
 別れ際、「今日はカゼ薬を飲んで寝ます」と橋爪。カゼをひかないように前もって飲むということらしい。当日は雨も雪も降らず、グッドな映像が撮れました。
<初めてのトリオ>
 今回の公演では、タキシード姿で踊る私と阿部のコンビ、そしてセンターに加わった橋爪の「アダルトなムード」を気に入ってくださったお客様が多かったようです。“Chicago”は20年前に作ったナンバーで、橋爪のポジションはもちろん私たちの師匠でした。師匠が元気だった頃、5年くらいの間、よく3人で踊っておりました。
 ものすごいパフォーマーだった師匠の動きはとてもダイナミックで、私と阿部はそんな時でもバランスが保てるよう、厳しく訓練されていました。今回の橋爪バージョンでは、時たま手がぶつかったりするものの、非常に踊りやすかったです。
 この3人で踊るのは実は初めてだったのですが、「もう何年もいっしょに踊っているように見える」と、嬉しい評価をいただきました。
<子どもたち>
 ショーにとってプラスにもなればマイナスにもなるのが子どもたちです。発表会なら良いのですが、公演ではそれなりの結果が要求されます。そのためには、技術以上に子どもの持つ甘えを捨てさせ、逆に緊張感を持たせることが必要です。「子どもたちは楽をしようとするからね」「疲れてくると顔に出るからね」どちらも、舞台の上では絶対許されないことです。私は師匠から「アニー」の指導の時、そう教えられました。
 子どもたちに付いた先生たちは、私が言う前に厳しく指導しており、ダンスだけでなく大人のキャストと全く同じ動きのフィナーレも、きびきび動けていました。お客様からも良い評価をいただけたようです。
<成長し続けるメンバーたち>
 淺野がY'sを立ち上げた2005年には、まだ根岸のダンス・スタジオをレンタルして稽古していました。その年の夏、振付をするためそのスタジオを訪れたことがあります。
 “Pure Jewels”というそのグループのメンバーたちは、素直だけど、かなりじっくり型の子が多く、「これは時間がかかるぞ」と感じました。実際、3か月後に“All for You”を踊った時は「まだまだ」と思ったのに、9か月後に踊った時は「ずいぶん努力したものだな」と感心したものです。振付をした人間にとってこれは最高の喜びでした。
 あれから6年たってメンバーたちも少しずつ入れ替わりましたが、そんな努力する姿勢は現在でも同じで、今回長い時間一緒に稽古をして、その間にも成長し続ける彼女たちを見て大いに勉強させられました。一回、一回、踊るたびに自分で反省点を見出して良くしようとする彼女たちを見守りながら、的確にアドバイスする押田や阿部の存在も頼もしかったです。
<ご意見>
 「NTD」でも「リズム劇場」でも公演終了後、観に来てくださった方のご意見は貴重なものです。90%以上は「良かった」「楽しかった」と好意的なものですが、辛口の方もいて、曲ごと、場面ごとに細かくチェックを入れ、批評、批判してくれます。「NTD」などそれほど親しくない方もいるので、残念ながらそんなレポートは私止まりです。本当は伝えてあげるべきなのですが、カドが立つのでやめています。「リズム劇場」の場合、作・演出が一流なのでほとんど批判的なものは出ていません。
 さて、今回のY's公演の場合、良くも悪くもそれは100%私たちに対してなので、終了後ほとんどの方に意見を求め、過去最高、レポート用紙2枚分のものが集まりました。そんな中でちょっとユニークな感想を・・・
 「淺野先生の衣裳はどれも昭和のアイドル歌手みたいで似合ってました」「(私に対して)かわいい女の子と手がつなげて良かったですね」「あのペペロンチーノ阿部って、芸名?」「橋爪さんて本当はしゃべりたかったんですね」「歌って、ヴァイオリン弾いて、タップ踏んでた人って、どういう人ですか?」、さらに、“How About You?”で突然しゃべりはじめた押田&淺野を見て、「夫婦まんざいが始まったのかと思いました」などなど。
 これからも貴重なご意見をお待ちしております。有難うございました。

天野 俊哉






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