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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.2277 宝塚歌劇〜1年ぶりの宙組公演
 私が初めて兵庫県の宝塚大劇場で宝塚を観劇したのが1998年春の宙組の発足記念公演でした。先日、映画の撮影で麻咲梨乃先生と共に手取り足取りご指導下さったアシスタントの風馬翔先生もこの宙組ご出身、何かとご縁があります。

 昨年の秋に宙組の生徒が亡くなった事から宙組の活動や公演自粛が長く続きました。約1年ぶりに再開しても通常の《お芝居》プラス《レヴュー》の2本立てではなく、《レヴュー》のみの上演という訳の分からない形です。しかも大劇場はわずか10日間、東京はとりあえずひと月の上演、入場料は約半額、公演パンフレットは兵庫県と東京共通で薄い薄い物、でも通常の1000円なり。

 私は東京宝塚劇場で再開14日目の土曜日昼間にうかがいました。宝塚と言えば《レヴュー》のイメージなのに、やはり《お芝居》の不在は大きい。台詞を喋るスター達に1時間半酔いしれ、《お芝居》の中でスター達が死のうが幸せになろうが感情移入し尽くして緞帳が下りる。そして、30分の休憩ののち始まるのが、待ってました!華やかな《レヴュー》、という観劇スタイルが実は私たち宝塚の観客には出来上がっているのです。つまり最初から《レヴュー》だと何となく心の準備が出来ていないなぁ、と感じました。オープニング・ナンバー、私の観た回は観客の手拍子も拍手ついて行けてなかった!
 と、ここまで色々批判めいたことを書いてしまいましたが、今回の齋藤吉正作・演出のレヴュー『ル・グラン・エスカリエ』は1時間20分はありましたがまあ飽きさせずに観客を引っ張る引っ張る!見事です。メルパルク・ホールで上演された2018年の『最後のナショナル・タップ・デー』以来の感動かも知れません。

 もちろん齋藤氏の選曲も、衣裳も、装置も、照明もナイスでした。宝塚のヒット曲を数多く、ホント数多く並べているのですが、齋藤氏の演出が工夫されているのでオリジナルの印象より舞台上の演者の方が光っていました!《誰々さんへのオマージュ》みたいな演出をしていないのが成功だったようです。現在の宙組の皆さんは歌えるかたが目白押しで、これまでのタカラジェンヌの中であまり上手く歌えてなかったラテンの“グラナダ”みたいな曲も見事にこなしていました。馴染みの無い3人の娘役さんが下手から歌いながら銀矯を渡り、本舞台を横切り、再び下手に戻る場面も聴かせる、魅せる、に長けていて間延びしないのです。驚いた!
 ダンスの振付等は特に目を引くものは無いのに全体的にバランスが取れています。逆に常に点数の高いラインダンスは、音楽のアレンジのせいか、踊りのせいか、やや雑なのが気になりました。
 他の4組より約20名も少ないせいか、舞台がさみしいと感じることはありましたが皆さんのパワーで隙間を埋めていた!と私は感じました。

 これがトップお披露目の芹香斗亜さんは力強い宙組の仲間に支えられて良かったなと思いました。皆さんで宙組を再び魅力的な存在にして頂きたいです。頑張って下さいね。

天野 俊哉



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