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Vol.2246 しっかりとしたサービスとは
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こんにちは。Y's取材班です。
新年度も一月が経ち、新人のみなさんもスーツを着慣れた頃ではないでしょうか。スーツといえば学生時代の後輩K君が、かつて某紳士服量販店の会長だか社長のショーファー（お抱え運転手）を務めていて、退職後も「ご入用の際は」と言ってくれていました。
めでたい席に出ることになったので「フォーマルを新調しに、いつの何時にどこどこ店に行く」とKに連絡すると、「承知しました。しっかりサービスさせます！」と自信満々の返事がありました。
約束の日時にその店に行くと、えっ！店長さんが数名のスタッフさんを従えて、笑顔で「歓迎、○○様」と書かれたウェルカムボードを掲げながら「いらっしゃいませ○○様、ご来店ありがとうございます」と丁重に迎えてくれました。ナゼ私が本人と分かったのか訊くと、Kから顔写真が送られてきたとのこと。そこまでしなくていいのにと思いながら入店して、お手頃スーツに手を伸ばそうとすると、「いえいえ、この程度のモノをお売りしたらKさんに叱られてしまいます。ささ、奥へどうぞ」と促されて進むと、VIPルームのような部屋に案内されました。そこにはメジャーを首に掛けた笑顔のテーラーさんが。ちょ、ちょっと待って。コレってオーダーメイドの流れじゃないか？スーツどころかワイシャツすらオーダーなんかしたことないのに。背中に一筋の汗を感じながら平静を装って「ま、今日のところは吊るしで」と、なんとかその場を凌ぎました。勘弁してよ。
ということでフォーマルコーナーへ。ウ～ン、吊るしでもどれもけっこうなお値段。薦められた特にいいモノは確かに黒が断然違います。値段もダントツ。苦しまぎれに店長に「でも『良い生地ほど虫に食われる』って言いますよねぇ」と訊くと、自信をもって「ご安心ください。コチラは防虫効果を施した特殊繊維の生地ですので虫に食われる心配はございません」。なるほど。シルエットも超カッコイイし、えーい！と、この三つ揃えに決めました。勢いでスーツも3着購入、結局総額ウン十万円のエラい買い物に。
丁重に見送られ、店を後にして分かりました。Kの言っていた「しっかりサービスさせます」の“しっかり”とは、値引きとかそういうことではなくて“しっかり”とした接客サービスのことでした。Kのオトナな考えに対して、浅ましい期待をした自分がちょっと恥ずかしくなりました。
後日、同期の飲み会でこの話をしたら同じ期待をして件の店に行ったヤツが何人もいて、あの流れでスーツをオーダーしてしまったり、息子連れで行って破格の買い物になってしまったヤツがいて、みんなで大笑いしました。
確かにイイ買い物ができましたが、フォーマルはまだ2回、スーツは満員電車で揉みくちゃにされたり長時間のデスクワークでお尻と膝が傷むのがイヤで、あまり着ていません。
そんな貧乏性なヤツのことなんてどうでもいいですね。長々と失礼しました。
※このエピソードは「お店とKが共謀して高い買い物をさせた」などという中傷で貶める意図は無く
ただの笑い話ですのでどうかご理解ください。
Y's取材班
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