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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.2241 『ブギウギ』が終わって 笠置シヅ子さんの事
『ブギウギ』
 最後の最後まで楽しませてもらいましたよNHKの朝ドラ『ブギウギ』。
 笠置シヅ子、服部良一、榎本健一、美空ひばりなど、実際の名前を使わず何となく不満は残りましたがエンタテインメントとして見ればよくぞここまで、と感心しました。
 ただ、いくら朝ドラの『ブギウギ』を楽しんでも笠置シヅ子さんの音楽や書物に手は出しませんでした。この番組の成功は何と言っても笠置シヅ子さんがモデルの福来スズ子さんを演じた趣里さんの魅力によるものだからです。

《カネヨンのおばちゃん》
 私世代にとって、笠置シヅ子さんはテレビ・コマーシャルで毎日の様に流れていた《カネヨンのおばちゃん》でした。
 とびきりの笑顔と「カネヨンでっせ」の人懐っこいセリフが懐かしい。
 なのでたくさん出版されている美空ひばりさんの自伝や評伝でひばりさんが笠置シヅ子さんを「笠置先生」と呼んでいたエピソードにはびっくり仰天してしまいました。カネヨンでっせ?

《映画出演》
 私が観た笠置シヅ子さんの映画は『酔いどれ天使』と『銀座カンカン娘』の2本のみ。とりあえずDVDを持っているのでチェックしてみました。
 『酔いどれ天使』は日本が誇る黒澤明監督による初期の名作。志村喬さんの迷医と三船敏郎さんのヤクザ屋さんのぶつかり合いが凄い。笠置シヅ子さんは安キャバレーで黒澤明監督が自ら作詞した“ジャングル・ブギ”を歌い踊ります。ドラマの背景レベルの扱いなので魅力は伝わらず。
 『銀座カンカン娘』は当時の大スター高峰秀子さんが主演、笠置シヅ子さんとコンビを組んで歌いまくる作品。高峰秀子さんが演技だけでなく歌も達者なので笠置シヅ子さんパッとせず。笠置シヅ子さん遠慮がちで決して前に出てきません!
 映画の最後は五代目古今亭志ん生の落語が見せ場となり、落語のまま終わってしまう。不思議な映画でした。
 笠置シヅ子さん、映画では全く活かされなかったのですね。

 笠置シヅ子さんは戦前・戦中・戦後の大スターだったのにあっさりその地位を捨ててしまったのはドラマで描かれていた様にやはり家庭人だったのですね。
 日本には朝ドラ向きの歌手や俳優がまだまだたくさんいると思いますのでこれからも面白い芸能人を発掘してドラマにして頂きたいと思います。

天野 俊哉



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