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Vol.2209 もうすぐ生誕100年パトリス・ワイモア〜隆子先生みたいなタップダンサーB
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1940年代にサミュエル・ゴールドウィン製作の豪華なミュージカル映画でダニー・ケイの相手役だったヴァージニア・メイヨがワーナー映画と契約し、このヴァージニアとドリス・デイの2人がミュージカル映画の2本柱になります。
『シーズ・ワーキング・ハー・ウェイ・スロー・ア・カレッジ』(1952)
ニューヨークのバーレスクの女王ヴァージニア・メイヨが大学に入学して大騒動になるというミュージカル映画。彼女を大学に招く教授にロナルド・レーガン、妻にフィリス・サクスター、レーガンのかつての恋仇にドン・デ・フォー、スポーツ万能な学生にジーン・ネルソン、その恋人がパトリスさん。やがてジーンとヴァージニアが付き合いだしてパトリスさんがのけ者に、パトリスさんがヴァージニアに敵意を、という分かりやすい展開になります。
ジーン・ネルソンとヴァージニアのデュエット・ナンバーがどれも華やか、運動用具を自在に操るジーンのソロ・ナンバーが凄くて圧倒されます。パトリスさんは劇中劇で実に凝ったプロダクション・ナンバーを担当します。振付のルロイ・プリンツの演出が冴えていて5分間の長丁場に無駄がありません。ブラックバーン・トゥインズというハンサムな長身のダンサーを従えたパトリスさんがイキイキしています。
『シーズ・バック・オン・ブロードウェイ』(1953)
このコラムの為に久しぶりに全編観返したのですがかなり楽しめました。ドラマがメインのゴードン・ダグラス監督が1930年代に人気の高かった『42番街』の様なワーナーの舞台裏ミュージカルを創ろうとしたからです。オーディション風景も稽古風景もテンポ良く進行します。
ジーン・ネルソンはヴァージニア・メイヨに次ぐ2番目にクレジットされているのに単なるダンサー役でヴァージニアの相手役として登場するのみ。落ちぶれた舞台演出家役に悪役俳優のスティーブ・コクラン。この演出家とヴァージニアが元恋人同士、演出家に想いを寄せるダンサーのパトリスさんが最後には捨てられてしまいますが健気な演技を見せるパトリスさんは嫌味がありません。なんか等身大の女性を見せられた感じがしました。
パトリスさんはリハーサル場面でスティーブ・コンドス、ジェリー・ブランドゥというスピードの速いステップを踏むタップダンサーと競演してます。ピアノ、トランペット、階段などの小道具を使った演出が効果的です。3人それぞれを活かした振付が良く考えられていて感心しました。ただ白いブルマみたいなデザインの衣裳は酷すぎる!スタイル抜群のパトリスさんでなかったら絶対に似合わなかったでしょう。
パトリスさんはその後も女優活動を続けましたがミュージカル映画は残念ながらここまでになります。
今回はワーナー映画でタップダンサーとして活躍したパトリス・ワイモアさんを取り上げました。
天野 俊哉
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